フォト&エッセイ 自転車のある風景 第二回 輪行

 MTBのレースに出ていたころ、クルマがなかったのでよく輪行をしていた。輪行とは、自転車を分解して専用の袋に詰めて電車やバス等に持ち込む旅の方法だ。

東京にいたころは、どこへ行くのにも自転車の入った袋を担いで出掛けた。家から自転車で出発して、駅で自転車をばらして袋に詰めて電車に乗る。

降りた駅で再び自転車を組み立て、レース会場のスキー場まで自走で漕ぎあがる。会場に着くまでがもうすでに競技のようなものなのだが、あのころは毎回時刻表で乗り継ぎを確認しながら、それだけで妙にフクフクしていたものだ。


 千曲市へ戻ってきてからはレースもクルマで行くようになり、電車で輪行する二とも無くなった。
かわりにバスで輪行して、着いた先の移動手段として自転車を持って行く二とが増えた。東京へ行くときは、元メッセンジャーなので、ど二へ行くのも自転車の方が便利ごったのだ。

バスで上京して、新宿の雑踏の中で自転車を組み立て走り出す。ただの上京が、輪行をするだけでちょっとした冒険のし落ち着いたら、自転車といっしょに電車に乗る旅に出かけたらいかがだろう?

きっと、普段の旅では出会えない風景に出合えるはずだ。