おじょこな800字小説  第4回「夏休みの過ごし方」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説  第4回

「夏休みの過ごし方」

作・塚田浩司


私も年をとったものだ。小学生の孫を持つおじいちゃんなのだから当然だが、それにしても最近の子供のことが理解できない。孫が夏休みに入ってから、なおさらそう思う。
 時代の変化とはおそろしいものだ。私か子供の頃の遊び方と今の子供の遊び方が全く違う。
 こんなことを言うとジジ臭いが、昔は良かった。ワクワクする遊びがたくさんあった。それに比べて今の子供の遊びは何なんだ。全く楽しそうじゃない。
 「いってきまーす」
 孫はまた出かけたようだ。夏休みに入ってから毎日そうなのだが、どうせ今日も友達と虫かごを持って野山を駆け回っているのだろう。それか鬼ごっこにかくれんぼ。どれも私か子供時代にはやったことのない遊びばかりだ。

私の頃の夏休みの過ごし方といえば、エアコンの効いた部屋で、ジュースを飲みながらスマホで動画を見るか、ゲームに夢中だった。特にゲームが好きで、モンスターや妖怪を捕まえるのが楽しかった。目が真っ赤になるまで遊んだものだった。それが孫はどうだ。肌を真っ赤にして遊んでいるじゃないか。しかも本物の虫を捕まえている。信じられないことだ。
 我が孫のことながら、納得ができない私は、昨晩、孫に直接聞いた。
「そんなことをして遊んで楽しいのか? おじいちゃんの頃はゲームをしながらリモートで友達と交流をしていたぞ」 すると、孫はニヤニヤしながら言った。
「そっか。おじいちゃんて自粛世代だもんね。でも今はそういう時代じゃないんだよ。リアルな体験が流行っているんだ。それに、リモートもいいけど、やっぱり友達とは直接会って話さなきや面白くないよ」
 自粛世代とは聞き捨てならない。腹が立ったが、これ以上何を言っても、ますます年寄り扱いをされるだけだからやめた。
 まったく。今時の若いもんの言うことはわからんよ。