地域と共に1世紀 屋代南高校 高校再編・整備計画の動きは

前身は埴科農蚕学校
 県立屋代南高校は、明治42年(1909)埴科農蚕学校として創立。その後女学校となるが、昭和52年度(1977以降は男女共学校である。蚕業との関わりから被服科が開設されてきて、その伝統は現在のライフデザイン科へと引き継がれている。県内82校のうち家政系の学科があるのは3校のみ。
北信では屋代南高だけだ。現在は一学年に普通科3クラス、ライフデザイン科1クラスという編成になっている。
 高校再編の対象校に 平成20年に同校は創立100周年を迎えている。ところが、平成29年に県教育委員会から公表された「学びの改革基本構想」内で屋代南高校が一時再編の対象となったため、存続を強く求める声が高まった。
 現在は再編対象からは外れているが、少子化で生徒数が減るなか、県が求める募集人員の水準を維持していくことは難しくなると予想され、予断を許さない状況だ。また、千曲市内の中学校から市外高校への、流出過多の状況も続いている。市内外からより多くの募集者を集めるためにも、魅力ある特色を剔出することが求められている。
 新しい分野 特色ある学校
 その要素の一つがライフデザイン科の存在だろう。生徒のデザインした介護用寝巻きは社団法人に寄贈され、活用されている。平成20年度からはフードデザインコースも新設。昨年石川県で開催された「WASHOKUグランプリープレ大会」で見事グランプリに輝くなど目覚ましい実績をあげている。
 また地元との交流も盛んで、早乙女に扮しか生徒によるお田植え祭りや、地域の清掃作業への参加は恒例行事となった。
 地域に欠かせない存在
 通学する生徒には、駅から近いという環境は大きな魅力。徒歩6分ぼどの最寄駅、しなの鉄道屋代駅によると屋代南高校からは例年70人ほど新規の定期購入者かおるという。地域経済に与える影響からも高校の存続は重要な課題といえる。商店街にとって、屋代南高校の生徒の需要はなくてはならないものだ。魅力あるカリキュラムを持つ屋代南高校の取り組みに今後も注目していきたい。