千曲川水害から一年 令和元年東日本台風(台風19号)災害

 各地域の状況
 昨年10月12日、千曲市一帯に甚大な被害をもたらした台風19号による水害。霞堤からの流入水は中地区から始まり、新田・杭瀬下を経て、その後尾米川の増水で粟佐方面に拡大。
浸水被害は篠ノ井橋近くの屋代第六区にまで及んだ。
 そのほか支流の内水氾濫で雨宮・土口・生萱地区も浸水被害が発生した。

 [中地区]床上70cmの浸水で工場が被害を受けた宮城商店の宮城さん。霞堤の存在は知っていたが、県道を越える程の水量は予想もしなかったという。千曲川本流から直接流入したため泥が少なかったことは不幸中の幸いだったと語る。

 [杭瀬下地区]チューリップの家・夏目所長によると倉庫が75cm浸かったほか、地下スペースに流入した水が逆流。調理場のボイラーが故障したほか、車3台が被害に遭った。水が引いた後は、地下の消毒作業が必要となり、工房の完全再開まで日数を要した。

 [雨宮・生萱地区]雨宮を流れる一丁田川が内水氾濫。さらに合流先の沢山川の法面が崩れるなどの被害が出て、生萱地区の住宅に浸水被害が発生した。沢山川からの流水は建設中の産業団地付近にも及んだ(その後、団地は1mのかさ上げ工事が決定)。そのほかエムケー精工付近の千曲川堤防には亀裂が入った。


 あんずホールの復旧は 河川敷内の都市公園は平和橋緑地と戸倉千曲川緑地公園が復旧済み。雨宮緑地は10月13日より利用可能となる。
 一方、利用不可となっている更埴文化会館(あんずホール)だが、市では予定していた国庫補助が受けられなかったため、災害復旧事業と緊急防災・減災事業によって復旧工事を行うことになった。原状復旧ではなく、地下発電機の移設や浸水対策などを施すとしている。市長会見や市議会一般質問での答弁によると、令和3年度末の完成を目指すとしているが、現在、被害状況を調査中でこれからの設計となるため、利用再開への道は遠い。