フォト&エッセイ 自転車のある風景 第11回 自転車部品のリユース

フォト&エッセイ 自転車のある風景 第11回 自転車部品のリユース 

自転車の修理をしていると、壊れて交換した部品や、いらなくなった自転車に付いていた部品などがたくさん溜まってくる。そんな部品も取っておくと、何かあった時に補修部品として利用することが出来るので、少し手間がかかるが分解してとっておくようにしている。

環境問題で大切な3R(スリーアール:リデュース=削減、リユース=再利用、リサイクル=再生)のうちの再利用である。同じ再利用といってもいろいろなパターンがある。大きくなってサイズが合わなくなった自転車や、乗らなくなった自転車をそのまま必要な人に譲る場合。自分のように使える部品を壊れた自転車の補修に使う場合。そして、自転車の部品を自転車の修理に使わずに、全く違う物に使うということも考えられる。古着を違う洋服に仕立て直すのと同じで、再利用なのだがリユースでなくリメイクという方法もあるのだ。

お店のコロ十対策としてアルコール噴霧器を設置しようと思った時に、せっかくなので家にある自転車の部品を使うことにした。いらなくなったブレーキとレバーをワイヤーでつないだこの装置は、本体と足で踏む部分が固定されていないので、場所をとらずに好きなところに設置することが出来る画期的なものだ。

いらなくなった自転車の部品が、世界にひとつしかないコロ十対策グッズヘと生れ変わったのだ。いつかコロナが収まったら、この装置を改造してケチャップディスペンサーにすることも可能である。

そんな日が1日も早く来ることを願ってやまない。

写真と文・石黒靖彦