シリーズ 未来への提案 駅とまちづくり③

姨捨棚田の頂上にある姨捨駅は「日本三大車窓」の眺望で知られ、現在千曲市内にある唯一のJRの駅である。開業は明治33年(1900年11月1日。昭和47年(1972)に無人化され、現在は長野駅が管理運営を行う。平成24年(2012)よ0夜景を鑑賞するナイトビュー「姨捨」が長野駅始発で運行を開始。さらに平成29年(2017)からは周遊型臨時寝台列車「四季島」の運行が始まり、これに合わせてホームの駅舎には「四季島ラウンジ」が新設された。このほかにも快速「リゾートビューふるさと」が停車し、観光客の人気を博している。 

現在、千曲市では4月から11月までの期間、駅に職員が常駐し観光客向けに 「姨捨来駅記念券」を販売している(200円)。駅舎は姨捨楽生学園のメンバーが美化活動に携わり、駅周辺の除草を行うなど地域住民との関わりも深い。  「全国棚田百選」で直近に鉄道の駅かおるのは姨捨だけである。姨捨の棚田が日本遺産認定を受けたことで、姨捨駅の役割は益々重要になってきている。 

姨捨観光会館は「日本遺産センター(仮称)」として4月1日にプレオープンし、9月から本格的に稼働を始める。現時点ではJRとの連動イベントの予定は無いそうだが、最寄駅となる姨捨駅の活用についてJRとどのような連携・協力体制が築けるか。積極的な働きかけを望みたい。

 【ちくま未来戦略研究機構 調査研究部】