フォト&エッセイ 自転車のある風景 第一四回 オーストラリア横断自転車旅行②

オーストラリア横断自転車旅行②

 “自転車でオーストラリアを横断する” と話した時の相手の反応はさまざまたった。自分のことを知っている日本人の反応は概ね好意的で。 “こいつならその位のことはやるだろう”という感じだった。ルームメイトのフィリピン人の場合はもう少し具体的で、“オーストラリア横断の距離は、北海道から九州まで日本縦断して、そこから海の上をフィリピンまで走っだのと同じ位だ”と教えてくれた。他にも長距離走行用の部品を自転車に付けてくれた香港人や、補給食にショートブレッドを焼いてくれた友達もいた。

そんな中で意外だったのは、地元のオージー達の反応だった。以前住んでいた寮のいかつい管理人からは、”そんなバカなことを考えるのは日本人とドイツ人だけだ!”と言われ、”もし実行したら、俺が力ずくで連れ戻しに行くぞ!”とターミネーターみたいな風貌で脅された。また、本人もオートバイでオーストラリアを横断したことのあるルームシェアしていた家の家主からは、”やらなら後5年くらい砂漠でトレーニンフする必要がある!”と言われ、昼間は毎日重りを積んだ自転車で100km走ってくるようにトレーニングを強制された。重い自転車で一日中走ったあと、夜は家の中で寝かせて貰えず、庭でテントを張って寝なければならなかった。おまけに深夜になると庭でスプリンクラーが回り出し、横からの散水でテントの中は水びだし。朝になってから家主に文句をいうと、”砂漠では何か起こるか分からないんだ!”と逆に怒られてしまう始末たった。

そんな日々から一日も早く抜け出すためと、本当に出発出来心のか?という不安を払しょくするため、トレーニングの合間を縫って出発準備を急ピッチで進めたのだった。出発前夜 荷造りを終えた自転車と共に