ちくまブックレビュー  『早く絶版になってほしい #駄言辞典』

 
    日経xWOman/編 日経BP社
 【駄言・だげん】とは?


  「女はビジネスに向かない」のような思い込みによる発言。特に性別に基づくものが多い。相手の能力や個性を考えないステレオタイプな発言だが、言った当人には悪気がないことも多い。(本書より引用)


 セクハラをはじめとしたハラスメントが世間で騒がれるようになってもうどれくらいでしょう?
 「駄言」は言葉のハラスメント。多くの「名言」があるように、「駄言」もまた多く存在しています。どちらも何気ない一言から生まれることが多く、それが相手にとって良くも悪くも「刺さる言葉」となるため、特に後者は言葉を選ぶ必要があります。
 

では、この駄言を無くすにはどうしたらよいのでしょうか?
 世界経済フォーラムが公表している各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数で、日本は156力国中120位と先進国の中でも最低レベルとなっています。男尊女卑という四字熟語が日本にありますが、実はこれが始まっだのは明治維新以降です。天皇家の祖先と言われる天照や、日本という名前を作った持統天皇も女性であり、歴史的に見るとそもそも日本は女性が強い国たったことが述べられています。

この明治維新以降の現代社会に植え付けられ縛られた価値観を払拭するために、性差などではない個人としての多様性を理解すること。どちらが優位とかマウントをとるのではなく、平等という目線で行動を変えるきっかけとして「#駄言辞典」を読んでみませんか?
 (文:田中一樹)
 価格 1400円(+税)