ちくま未来俳句(4)

選者 光本草果
   (ホトトギス同人)


姨捨山藪から棒にほととぎす    遊耳
梅雨晴間つまぐろひょうもん庭に舞ふ      のり子
夏見舞更級の里描きそへて      英夫
擦りむきし膝に赤チン草いきれ      晴子
雨粒に光さしこむ蓮の花      隆一
萱葺の紫陽花寺の無住なる      房子
ハンカチのくしゃくしやとなり旅終る      有美子
向日葵や赤子はじめて寝返りす      厚子
雨蛙今日も啼き出す夕餉時      みき子
 「生ききった」と言える人生雲の峰      恵美子
家中に香り広げて杏ジャム      孝子
実梅椀使い帰りのエプロンへ      一子
初胡瓜への字への字のご愛嬌      く美子


 選者
感染症薬師如来に滲む汗      光本


■「当季雑詠」 一句
■締切 毎月二十日到着分を選考し翌月号に発表致します。
■投句先 〒381‐0012千曲市桜堂521 ちくま未来新聞「俳句係」 電話・FAX026-214-7905