歴史講演会(八幡) 千曲市川西地区振興連絡協議会  JR篠ノ井線の120年

歴史講演会(八幡) 千曲市川西地区振興連絡協議会  JR篠ノ井線の120年

川西地区でまちづくり活動を行う千曲市川西地区振興連絡協議会が3月12日、恒例の歴史講演会を開催した。今年は地区を走るJR篠ノ井線が全線開通から120年を迎えたことから「JR篠ノ井線の120年」と題して、市歴史文化財センターの平林大樹さんを講師に招いた。

 長野と松本を結ぶ鉄道の開通に当たっては、複数のルートの候補があったなかから、工事の難所が少なく建設費が安い篠ノ井線が選ばれた。平林さんは稲荷山駅が塩崎に作られた事情について古文書などの一次資料などから分析。当時稲荷山町では停車場設置の請願が出されるなど、地元の有力者が熱心に誘致を行っていたことを突きとめた。それが実現に至らなかったのは、町が商家町として栄えていたため、駅誘致の運動があまり盛り上がらなかったのではないかと考察している。

 鉄道建設では冠着トンネルの工事で多くの犠牲者が出ていることや、蒸気機関車の排煙装置の設置などの歴史を解説。篠ノ井線の現在に至るまでの車両の改良についても紹介した。なお、姨捨については大正時代にはすでに「日本三大車窓」の一つと呼称されていたという。

 また、篠ノ井線は多くの架道橋や橋梁が残されていて「開業当時の施設が現役で使用されている貴重な区間」であり、近代化遺産としての価値が高いと語った。

講演会の様子(3月12日・八幡公民館)

ケーブルネット千曲で4月30日に放送予定