「上山田にひとつの家族を創りたい」ゲストハウス「昭和の寅や」が誕生

「上山田にひとつの家族を創りたい」ゲストハウス「昭和の寅や」が誕生

 上山田の街に人と人とが集う全く新しいコミュニティ空間が誕生する。情に厚く涙もろい。そんな映画「男はつらいよ」のフーテンの寅次郎に憧れる清水則子さんの周囲には、いつも大勢の人が集まってくる。これまで篠ノ井の自宅には自由に様々な人が出入りし、泊まりにきていたという。そんな清水さんに転機が訪れたのは二年前。姨捨でゲストハウスを営む鍛治博一さんと出会い、これまで自分がやってきたことと相通ずるものを感じた。ゲストハウスの開業を決心してからは、次々と協力を買って出る人たちが現れたそうだ。

 鍛冶さんがゲストハウスのノウハウを伝授し、作成の仕方がわからなかった事業計画書も仲間のコピーライターが手助け。人のつながりがさらに新たな人を呼び、計画は進んでいく。上山田で空き家となっていた元土産物屋を見つけると、仲間たちと一緒に手作りで改修を進めていった。

 こうして3月10日、敬愛する渥美清さんの誕生日を選びゲストハウス・昭和の寅やがプレオープンした。「この家はみんなが造ってくれた」挨拶に立った清水さんの目には光るものがあった。

 寅やは2階に宿泊できる3部屋のゲストハウスのほか、シェアハウス4部屋を備える。1階はコミュニティスペースとなっており、清水さん自身も息子と一緒に生活する。「気張らずに気軽に自分の家のように寝ころがっていられる。そんな場所にしたい」と話す清水さん。正式オープンは4月17日の予定。

清水則子さん「昭和の寅や」外観(上山田中央公園横)

プレオープンには市内外から多くの人が駆け付けた