信州の幸 あんずホール 2年6か月ぶりに再開館

信州の幸 あんずホール

 2年6か月ぶりに再開館

信州の幸あんずホール(更埴文化会館)
信州の幸あんずホール(更埴文化会館)

リニューアルコンサート

市民が待ちわびた再開

 3年前の東日本台風で甚大な被害を受けた千曲市杭瀬下の「信州の幸あんずホール(更埴文化会館)」が2年6か月ぶりに再開館となった。4月3日、市内4団体によるリニューアルコンサートが開催され、久々に大ホールに響き渡る音色に多くの市民が耳を傾けた。この日のコンサートは無料だったが、整理券は3日間で配布が終了となる人気だったという。あんずホールの湯井勉館長は「皆さんに愛されている施設なんだなと改めて感じた」と語る。

市内4つの音楽団体が出演

 今回の催しは市教委と合唱団・吹奏楽団・合奏団・管弦楽団の4団体からなるあんず楽友協会の主催。代表の宮坂節子さんは「被災後は練習場所を求め、そしてコロナで練習方法も変わり各団体は四苦八苦した。その苦労も今日は大勢のお客様の前で披露できることで報われ感無量です」と話した。

音楽文化発信の中心地として

リニューアルコンサートの様子(4月3日)

 市内の音楽団体にとってここでの音楽活動再開は大きな意味を持つ。台風による尾米川の氾濫で地下室は水没。保管していた楽譜が流れてしまい、吹奏楽団では自前の楽器が使えなくなった。そこからようやく立ち上がろうとした矢先、今度はコロナ禍が襲った。この日指揮者を務めた酒井英明さんは「一回気持ちが沈んでしまうとそこからエネルギーを出すのはかなり大変だった」と団員たちの苦労を振り返る。

 あんずホールについての思いを尋ねたところ「色々なグループの音楽のイベントを開いたりするのにふさわしいホールだと思う。あんずホールがあることで、発表の場があるんだと。そういう喜びを皆さんで共有できるようになれば良い」と語ってくれた。

各種設備もリニューアル

 新たに三幸商事によるネーミングライツも得た更埴文化会館。LED照明など内装も改修されたほか、非常用電源の長時間化など防災への備えも新たに再出発する。