思いを形に 夢咲く文 第3回 「です」「ます」調だと難しくは書けない

思いを形に 夢咲く文 第3回 「です」「ます」調だと難しくは書けない

夢の作文支援センターさらしな堂 大谷善邦

(元共同通信記者。著書「白 さらしな発日本美意識考」など)

 たくさんの人、不特定多数の人に読んでもらいたいときは、「です」「ます」調で書くことをおすすめします。「です」「ます」は語り掛け口調なので、難しい言葉や表現になりにくいものです。「だ」「である」調だと、自分でもよく分からない言葉なのに使えてしまったり、上から目線にもなったりします。

 ラジオでは、局のパーソナリティーと商品の宣伝をする人や最近話題になっている人との掛け合いがあります。この掛け合いは事前に「です」「ます」調で、パーソナリティーの質問と出演者の回答という構成の原稿になっているケースが多く、私も「さらしな」の地名力を地域の方々と発信する活動を始めたころ、出演したことがあります。わたしが書いたことをQ&A形式で再構成してくれた番組ディレクターの原稿は、とても分かりやすいものでした。

 ラジオだけでなく、テレビ用の記事を作ったこともあります。どんなニュースでも長くないことが鉄則です。漢字の熟語はなるたけ使わないようにしました。「です」「ます」調の原稿はニュースのポイントがはっきりし、切れ味がいい文体だと思いました。このニュースのポイントが、わたしが視聴者に伝えたいことの核に当たる部分でした。