思いを形に 夢咲く文 ひとつのことをたっぷり たまれば自分史

思いを形に 夢咲く文 ひとつのことをたっぷり たまれば自分史

夢の作文支援センターさらしな堂 大谷善邦

(元共同通信記者。著書「白 さらしな発日本美意識考」など)

 読んでもらえる文章にするには、ひとつのことをたっぷり書くことが大事です。いちばん伝えたいことに狙いを定めましょう。とはいえ、定まればすぐにたっぷり書けるわけではないので、心をゆるしておしゃべりができる人がいれば、その人に話してみましょう。おしゃべりのリズムの中で、自分では気づかなかった思いや言葉、言い回しが見つかることがあります。

 「たっぷり書く」というのは「たくさん書く」と言う意味では必ずしもありません。的確な表現や詩的に表現されている言葉など、短い文章やひと言でも全体が伝わるような作文になっていれば、それはたっぷり書いたということです。

 新聞記者の仕事を始めたころ、「書きたいこと(の核)は何だ?」と上司のデスクから幾度も聞かれました。取材してきた内容や感じたことを話すと、デスクから「そのことを書けばいい」とよく言われました。毎日読む新聞の記事の中で、心に残ったりする記事の多くは、記者が最も伝えたいひとつのことがたっぷり書かれたものです。

 伝えたいことの順番は、時間がたつと変わることがあります。そのときどきに、今いちばん伝えたいことをたっぷり書きましょう。それがたまれば本、自分史になります。