開山500年 第八回  満照禅寺 千曲市『山城』散歩

開山500年 第八回  満照禅寺 千曲市『山城』散歩

「屋代城」のある一重山の西山麓に、屋代氏の菩提寺がある。1522年に屋代政国が建てたとされ、2022年の今年は500年の節目にあたる。開山の歴史は寺史によると次のようである。上野国碓氷郡秋間(現群馬県安中市下秋間)の桂昌寺3世夫山総田が曹洞宗布教のために信濃路を遊行していた時に、たまたま屋代政国に奇遇した。当時、政国は屋代城の当主であった。政国は総田に参禅問法をしていたく共鳴し、これが縁となって一重山小島の地(現在地より北)に、総田を開山とする曹洞宗の禅寺を開創してその開基になったという。山号は有明山を背に姨捨山に対していたことにより「名月山」とし、寺名は政国の祖父・満照にちなんで「満照寺」とつけられた。(なお開山の1522年は政国は2歳にあたり、祖父の満照が政国の名で開基したとの説もある。)

 江戸時代には加賀前田綱紀公の参勤交代時にもてなしたという「ぬるい炬燵 満照寺の赤椀」の逸話が有名で、また生萱での佐久間象山の大砲試射の際には弾の落下地になったなどの歴史がある。

<参考文献>「日本曹洞宗 道元絵伝 満照寺寺史」名月山満照寺、平成3年