千曲市 会員企業紹介vol・③ サクラ精機株式会社

千曲市 会員企業紹介vol・③ サクラ精機株式会社

 (一社)ちくま未来戦略研究機構の会員企業を紹介する特集コーナー。第3回は医療用及び産業向け各種滅菌装置や洗浄装置等の開発、製造、販売を手掛けるグローバルニッチカンパニー「サクラ精機株式会社」(鋳物師屋)です。

医療現場を支えるものづくり

 サクラ精機株式会社は千曲市内に4つの工場があります。病院の手術などで使う器材を洗浄や滅菌する装置と、専門の医師が顕微鏡でがんの診断をする際に必要な標本を作製する装置の2つの主力分野で、開発設計・製造・販売・メンテナンスまでを一貫して手掛ける完成品メーカーです。人の生命にかかわる装置ですので信頼性が大事です。医療に関する法律に従って、何度も試験をして安全性を確かめています。

 医療器材の洗浄・滅菌分野

 病院で手術や治療に使ったあとの器材を再び使用するためには、細部まできれいに洗うこと、さらに感染症を予防するため目に見えない小さな微生物まで死滅することが必要です。

 洗浄は、その後の滅菌の効果を最大限に発揮するために重要な工程です。洗浄剤と強力なジェット水流による洗浄に加えて、超音波を発生させることにより、機材のすき間の目に見えない小さな汚れまでしっかり除去します。人が手作業でする場合に比べ、鋭い器材でケガをするリスクや、血液・体液などに触れるリスクを大幅に減らすことができ、医療従事者の感染予防に効果的です。また一度に多くの器材を高品質で洗浄できることから、労力の軽減にもつながっています。

 滅菌は、洗浄後に高温高圧の蒸気やエチレンガスなどを用いて微生物を死滅させます。「微生物の生存する確率が100万分の1以下になること」をもって、滅菌と定義されており、専門性がとても高い分野といえます。代表的な高圧蒸気滅菌の装置本体は、大型のものは大人の背丈ほどもある大きなものです。その製造には、国家資格であるボイラー溶接士の免許が必要となります。

 医療機関はもとより、クリーンな環境が求められる製薬・食品分野まで、最先端の総合技術力により高度で多様なニーズに対応する洗浄・滅菌の機器を提供しています。

がんの病理検査に欠かせない標本作製機器

 病理検査とは、専門の病理医が「がん」かどうか、どのような種類の「がん」かについての診断を確定するための検査です。体の一部分から採取した細胞や、病変の一部を薄く切り出した組織を顕微鏡で観察することにより、良性か悪性か、進行度はどうかなど、細胞や組織の性質を詳しく調べます。患者さんの手術方針や治療方針を左右する重要な検査になります。

 顕微鏡で観察できるようにするためには、検体を薄く切る必要がありますが、人体の組織片は柔らかく弾力があり薄く切ることができません。そこで、薄く切ることができるように、検体をパラフィン(ロウ)で固める必要があります。また、細胞を観観察しやすいように色を付けることも必要になります。標本作製機器は、これらの工程を機械化することで迅速かつ効率的に大量の標本を製作することに寄与しています。

 また、手術中に良性か悪性か、転移の有無はどうかを迅速に判断するために、検体を瞬時に凍らせて固める方式の機器もあります。千曲市内の工場で製造した標本作製機器は、世界中に輸出されて多くの国の病院で使われています。

創業152年、千曲市から世界へ

 当社の起源は、慶長3年(1598年)の江戸幕府創立以前にさかのぼります。泉州(大阪府南西部)堺で薬種商として産声をあげ、開府と共に江戸(現在の東京都中央区日本橋)に移り、維新後間もない明治4年(1871年)、日本の医療機器産業の草分け的存在として創業を果たしました。以来152年間、常に「ものづくり」へのこだわりと、日本のみならず世界に向けた良質な医療機器をおくり届け医療に貢献すること、また医療産業界の振興と発展に寄与することを当社の社会的使命として参りました。

 今後とも、企業理念の実現に向けて、千曲市から世界規模で患者様、医療施設様、医療産業界に貢献する企業として在りたいと希っています。

企業理念

1.あらたな価値の創造を通じ、世界規模で医療の質の向上に貢献する。

2.医療産業界の先駆者そしてリーダーとして、産業振興および発展に寄与する。

3.社会貢献を通じ、健康で豊かな社会を追求し、社員およびその家族の自己実現を成し遂げる。

(写真上)長野本社工場(埴生小学校のお隣)

(写真中)検査機器の組立 (写真下)滅菌機の組立工場