武水別神社神主松田館跡に「神官松田邸」が開館 古文書博物館施設として復活

武水別神社神主松田館跡に「神官松田邸」が開館 古文書博物館施設として復活

3月25日に待望の開館

 武水別神社の神官を務めた松田家の館の修復工事が完了し3月25日、 博物館「武水別神社神官松田邸」として開館した。3月25日の開館記念式典には小川修一千曲市長、長野県立歴史館の笹本正治特別館長らが参列した。

 松田邸は約2000坪の敷地内に土塁跡や堀跡が現存しており、平成18年(2006)に長野県史跡の指定を受けている。平成17年度(2005)から進められてきた「松田家資料保存整備事業」が完了し、松田家に伝わる貴重な古文書類を展示する千曲市初の古文書資料館となった。

火災の悲劇からの全面修復

 平成29年(2017)には火災により「主屋」「斎館」など5棟が焼失する悲運に見舞われたが、一部を除き全面的に修復。主屋には展示スペースが設けられ、古文書を閲覧することが出来るようになった。現在は開館記念で武田信玄や上杉景勝の朱印状が展示されているほか、国内でもほとんど類を見ない国文学上非常に貴重な和歌史料も目にすることが出来る。

 また、大頭祭の頭人の名簿・御頭書も公開。現在二十代目の神主を務める松田家では過去の全ての御頭書が保管されており、 最古の物は文禄元年(1592)までさかのぼる。このような事例は全国でも数例しかないという。

  このほか、、明治期の廃仏棄釈で八幡神宮寺から上山田の東国寺に移された「懸仏」や法華経の経文が貸出展示され、155年ぶりの里帰りとなった。中世を偲ばせる建物群と古文書

 主屋のほか敷地全体が博物館として公開されている松田邸。神事を執り行う斎館は非公開となっている(大頭祭など特別な場合のみ見学可能)。千曲市歴史文化財センターの中島丈晴主査は「松田館は中世の居館の上に神主屋敷が建てられ、その屋敷構えが残っている県内屈指の屋敷跡。貴重な文書もあり歴史を体感できる施設となっていますのでぜひお越しください」と話す。

【開館日】金曜日・土曜日・日曜日。9時~17時【観覧料】大人300円・高校生150円・中学生以下無料

小川市長と名札を揮毫した書道家・川村龍洲さん

神官松田邸 主屋 武田信玄朱印状