特集② 千曲市長選迫る ◆千曲市長選に望むもの

特集② 千曲市長選迫る ◆千曲市長選に望むもの

任期満了(一期四年)に伴う千曲市の市長選挙は10月20日告示、27日投開票の日程で実施される。現職で1期目の小川修一氏、56歳=無所属、粟佐=は信濃毎日新聞の取材に対して、再選を目指して立候補する考えを明らかにしたという(下段に関連記事)。後日記者会見して正式に表明をする意向。本紙の取材によると、千曲市長選はほかに立候補を表明した動きはないももの、「無投票はよくない」として、候補者を検討する動きがあるようだ。

 千曲市の街づくりでは、現在屋代スマートインターに関連した屋代2号線の道路づくり、新戸倉体育館、坂城町と共同の分別できる不燃ごみの新たな処理施設(葛尾組合新リサイクルセンター・R9完成予定)と少なくとも三つの大きなインフラ事業が進んでいる。材料費はじめ人件費、燃料費の値上がりが続いており、当初予算額から今後上積みが予想されるが、国や県の支援が今後どうなるのか。市民の負担が増えるのは避けられそうもないが、市の財政がどうなるのかの見通しを立候補者はきちんと市民に示してほしいものだ。

★若者への提案

 七夕の日に当選した市議は千曲市内の各地域の代表でもあり、それぞれの市議は地元住民から何が必要なのかを聞くことから始まっているとみる。すでに用意されたり、報告会を実行されている市議もおられると思う。

 新市議の地盤は屋代、小島、杭瀬下、新田、中、寂蒔、千本柳、上徳間、内川、戸倉、磯部、上山田温泉、新山、磯部、八幡、桑原、稲荷山、森、雨宮…こう地区名をあげていくと、当選した方はこれから地元の要望を市の施策に反映させていくのだろう。これができなくては、推した意味がなくなる。

 例えば、「道路が狭くて、車が通りにくい」「通学路が整備されていないから、登下校時危ない」「街灯が暗いから明るくして欲しい」など、千曲市の様々な施設の老朽化を修繕してもらいたいという要望が多いのは当たり前かもしれない。

 特に、車の所有が一家に一台から「一人に一台」のような時代となり、車の普及が急速に拡大したなかで、渋滞の解消につながる開発や道路整備は市議選でアピールするには欠かさない内容だ。だからこそ、何をしたかとか、保育施設や体育館など施設建設で実績を作ったなどをアピールするのもよいだろう。インフラ整備への貢献と併せて、地域の人々、特に若い人にどんな具体策を示していけるかが大事だろう。

 ★市民の声を広くよく聴いて

 身近なことから、改善することを考えたらどうだろう。子育て支援の一層の充実や給食の完全無償化、そして県立とはいえ地元に定着している屋代南高校の存続については県教委の「地元のエゴ」といった論理展開に与することなく、未来志向の考えを市長選の立候補者は示してほしいものである。

 市民の皆さんのなかには、日々の仕事で忙しいから自分の家庭のことで精一杯という方も当然いらっしゃる。家族のことで手一杯だから、「町の役や常会の会長もできない」「できたらゴミの当番だけにしたい」といった思いの方もおられるだろう。高齢者が多くなるなかで、ゴミ当番もこのまま続けられるだろうか。地域によっては、当番をやめたり、人数を減らしたりしている。各自治会、千曲市屋代でいえば、屋代1区から6区までのなかの常会ごとのまとまりで話しあって判断していくことになるだろうが、市は清掃車の手配など取り組みで手一杯なのだろうか。

 一方、「町のためだからと昔から親父やじいさんがやってきたから。自分もできることはやる」「元気だからまだ常会長もやるよ」という方もおられる。町のことで地域の方が関心が高いのは、不燃ゴミやプラスチックのゴミの当番ではないだろうか。屋代1区のある複数の常会で協力してゴミ当番を3人から2人にして、当番のメンバーを組み替えた。「冬にいつも当番で朝早くて辛い」「仕事のために朝早く車で出勤するから、早く箱だしをしてもいいですか」といった相談は、本紙の市議選の特集でも紹介した。

 可燃ゴミの出す時に悩ましいのはカラスの被害だ。丈夫なネットを被せても、カラスは下の方を狙って、くちばしでゴミ袋を破って餌になるものを引き出す。カラスよけのスプレーは効果がよくわからない。撒いてもカラスが来るからあまり効果はないのではないだろうか。こうした身近な悩みを市長候補になる方は聴いてほしい。そして市役所の担当にあててほしい。

 市役所の職員は、こうした声があったら、現場を見に来てみたらどうだろう。市長候補もゴミ収集の日に現場を見て回るくらいの心構えが必要だろう。そうした行動が、市民・住民に「寄り添う」と言うことではないだろうか。

(本紙特任記者 中澤幸彦)

葛尾組合新リサイクルセンター外観イメージ

(葛尾組合ホームページより)