子どもたちの未来を想い千曲市を舞台に 日本とハンガリーの文化交流 音楽家の金子三勇士さん

子どもたちの未来を想い千曲市を舞台に 日本とハンガリーの文化交流

 日本とハンガリーの子どもたちの文化交流事業を進める「日本=ハンガリー未来プロジェクト」が千曲市を拠点に始まり、7月28日に同実行委員会が戸倉上山田温泉の笹屋ホテルで記者会見を開いた。

 同委員会の提案者で音楽家の金子三勇士さん(34)がエグゼクティブプロデューサーを務める。母親がハンガリー人で、6歳から10年間ハンガリーに留学経験のある国際的に活躍するピアニストがプロジェクトを主導していく。千曲市は旧上山田町時代から版画や音楽の分野でハンガリーと交流があり、2021年の東京五輪ではハンガリーのホストタウンになったことを金子さんが知り、今回のプロジェクトの提案に繋がった。

 プロジェクトの第一弾は2026年にハンガリーで開かれる「子どものためのバルトーク国際ピアノコンクール」に、千曲市内などから子どもたちを連れていくことを目指している。金子さんは「コンクールでの好成績が目的ではなく、現地の文化や音楽、世界から集まる人との交流を通じ、人間力を磨いてもらう機会になってほしい」と思いを語った。

 子どもたちの渡航費や滞在費は、千曲市や東京などで開催する金子さんのチャリティーコンサートの収益などから実行委員会が用意する。同委員会の若林由美子会長(杭瀬下)は「子どもたちにいろいろな経験をしてもらいたい。その思いを市民の皆さんに理解してほしい」と話した。

 同委員会ではこのプロジェクトを契機に、日本とハンガリーとの音楽のみならず美術やスポーツでも交流を図ることで得られる、子どもたちの未来を想い活動を進めていく。

金子三勇士さん(写真上・中央)