おじょこな800字小説 第二十一回「タイムカプセル」作・塚田浩司

おじょこな800字小説 「タイムカプセル」 作・塚田浩司  小学生の頃、家の庭にタイムカプセルを埋めた。カプセルの中には「二十年後の僕へ」という題の手紙を入れた。二十年前のことだから内容は覚えていない

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おじょこな800字小説 第二十回「満月に祈る」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説 第二十回 「満月に祈る」 作:塚田浩司  「うまい話がある。バッグをただ言われた通りの場所に運ぶだけだ」  中学時代の同級生、高畑からそう持ち掛けられた時、すでに嫌な予感がして

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おじょこな800字小説  第十九回「男の宿命」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説 第十九回「男の宿命」 作・塚田浩司  尊敬する父はいつもそう言っていた。男というのは女性の目を意識するがゆえに結果を出す。政治家やスポーツ選手、弁護士や医者もそうだ。それに子孫

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おじょこな800字小説  第十八回「私が知らないお母さん」 作・塚田浩司

 おじょこな800字小説  第十八回 「私が知らないお母さん」 作・塚田浩司  家に帰ると、母の部屋のドアが少しだけ開いていた。覗いてみると、そこには私の知らないお母さんがいた。  私が見ていることに

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おじょこな800字小説  第十七回「恭子ちゃん」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説  第十七回「恭子ちゃん」 作・塚田浩司  風がひんやりしてくると、かならず恭子ちゃんのことを思い出す。  あれは、小学校高学年のことだったと思う。私は恭子ちゃんと二人で近所のお

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おじょこな800字小説  第十六回「金魚すくい」 作・塚田浩司

第十六回「金魚すくい」 作・塚田浩司  「金魚すくい一回お願いします」  網と交換に瞬は二百円をおじさんに渡した。  これは小学校が主催したお祭り。一人千円まで使えるんだけど、綿飴、たこ焼き、輪投げな

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おじょこな800字小説  第十五回「スイカ」作・塚田浩司

おじょこな800字小説  第十五回 「スイカ」 作・塚田浩司  今年もスイカが送られてきた。私の実家はスイカ農家なので、夏になると必ずスイカが届く。一人で一玉なんか食べられるわけがない。そう思いながら

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おじょこな800字小説 第十四回「雨アレルギー」作・塚田浩司

 おじょこな800字小説 第十四回「雨アレルギー」 作・塚田浩司 六月の雨が降りしきる中、僕はお弁当と結婚情報誌を買い、婚約者である優衣のアパートに向かった。そこで夕食を食べながら披露宴の会場選びをす

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おじょこな800字小説 第9回 「遅れてきたサンタクロース」作・塚田浩司

 おじょこな800字小説 第9回 「遅れてきたサンタクロース」  窓の外の雪だるまを見ながら、また怒りが込み上げてきた。翔はここ数日すっと不機嫌だった。 なぜならこの前のクリスマスにプレゼントをもらえ

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おじょこな800字小説 第7回「森の中のアトリエ」作・塚田浩司

よみきりショートストーリー おじよこな800字小説 第7回「森の中のアトリエ」  森の中に一軒のアトリエがある。 周辺には色とりどりの花が咲き、犬や猫、うさぎにリスが楽しそうに走り回っている。  アト

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おじょこな800字小説 第6回「ハロウィンイベント」作・塚田浩司

おじょこな800字小説 第6回 「ハロウィンイベント」 作・塚田浩司   私か店長を務めている「スーパーめばえ」では、今年の十月からハロウィンイベントとして、スタッフ全員で仮装することになった。本部か

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おじょこな800字小説  第4回「夏休みの過ごし方」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説  第4回 「夏休みの過ごし方」 作・塚田浩司 私も年をとったものだ。小学生の孫を持つおじいちゃんなのだから当然だが、それにしても最近の子供のことが理解できない。孫が夏休みに入っ

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おじょこな800字小説  第3回「短冊に願いを」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説  第3回 「短冊に願いを」 作・塚田浩司  デパートに買い物に行くと、入り口に七夕が飾ってあった。近くに短冊が置いてあり、ご自由にお書きくださいとのこと。 夫と息子はさっそく短

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おじょこな800字小説  第2回「バスケの神様」 作・塚田浩司

おじょこな800字小説  第2回 「バスケの神様」 作・塚田浩司    自粛中、ソファーで昼寝をしていた僕は夢を見た。高校時代の夢だった。 当時の僕はとにかくバスケに夢中だった。バスケ部ではスタメンに

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