上山田小学校 パラスポーツの特別授業

上山田小学校 パラスポーツの特別授業

長野県の共生社会創造プロジェクト「パラウェーブNAGANO」では、パラスポーツを使った学習を通じて子どもたちの多様性やしなやかな心を育む「パラ学」を実施している。この取組は小学校などを訪問しパラスポーツの体験及び出前授業を行うものだ。6月26日にはアイススレッジホッケー(旧パラアイスホッケー)銀メダリストの馬島誠さん(辰野町出身)が上山田小学校を訪れた。特別授業ではまず最初に6年生に車椅子を使ったポートボールを体験させた。慣れない車椅子でゲームをする中で「仲間のことを考えてプレーする方が楽しい」ことを子どもたちに気付かせた。

 馬島さんは大学時代にアルバイトで鉄塔を検査中に感電して、6万ボルトの高圧電流で大やけどを負う。一命はとりとめたものの神経を損傷し車椅子生活になった。その後パラアイスホッケー(現アイススレッジホッケー)を始めたが、6年間結果が出なかったという。もうやめてしまおうかと思った時に、友人から2つの言葉を教えられた。1つは「顔晴る(がんばる)」。笑顔になって、大切な人を思い浮かべると頑張れるという造語だ。2つ目は感謝。感謝が出来るようになるとほかの人を喜ばせる力「他喜力(たきりょく)」が身に付くと語る。馬島さんはその後、日本代表となりバンクーバーパラリンピック出場を果たした。授業では銀メダルに輝いた試合の映像を児童たちと一緒に鑑賞した。

パラリンピック銀メダリスト・馬島誠さん(写真中央)

車椅子を使ったポートボールを体験(右写真)