古墳時代に思いを巡る はにわdeアート 森将軍塚古墳館

古墳時代に思いを巡る はにわdeアート 森将軍塚古墳館

 科野の里歴史公園内の千曲市森将軍塚古墳館で、「森将軍塚古墳はにわdeアート」が1月12日~24日に開催された。期間中の18日に、アートユニット光明制作所の中村明さん(35)と羽田光さん(35)、県立歴史館考古資料課長の櫻井秀雄さん、サウンドアーティストの中島水さん(38)によるアーチストトークが行われ、詰め掛けた約20人の観客が古代への思いを馳せた。

 光明制作所が制作した「千曲彼方此方トンネル」は、埴輪の模様からインスピレーションを受け、過去と現在をつなぐ“時空トンネル”をイメージしたもので、5台のプロジェクターの映像を重ね合わせたインスタレーション。中村さんと羽田さんは「埴輪は渋くて美しい、古代の人々は何を考えどう生きていたのか、その死生観など考えてもわからないことに思いを巡らせるのがおもしろい」と話した。

 櫻井さんが埴輪の歴史や古墳との関係性など古代の様子を話した後、中島さんの神秘的な演奏が行われた。演奏はシンセサイザーと千曲川の河川敷で採取した“石”を使った独特の音楽で、誰もが古代のいにしえに思いを馳せる音楽になった。中島さんは「その空間に同調し、その場所の影響を受け感じながら音を作り出している。古代のいとなみを感じてもらえたらうれしい」と話した。

 会場を訪れた千曲市内の中学1年生・塩入連斗さん(13)は、千曲坂城クラブの歴史・科学クラブに最近入ったそうで、「古代を感じることはまだ難しく感じたが、これからも歴史を学んでいきたい」と話していた。

 イベントを企画した森将軍塚古墳館の酒井賢一館長は「千曲市は、古墳を始めとする文化や交通の交差点にある。多様なモノが混ざり合い、重ね合いながら新たな文化の創造につながれば」と未来への思いを語った。