坂木宿ふるさと歴史館開館20周年記念講演会

坂木宿ふるさと歴史館開館20周年記念講演会

 坂木宿ふるさと歴史館開館20周年を記念した講演会が9月28日、鉄の展示館ホールで開催された。長野県立歴史館の文献史料課長を務める村石正行さんが「村上義清―新たな文書から見える実像―」というテーマで講演を行った。戦国時代に武田信玄を二度にわたって破ったことで勇名を馳せた村上義清だが義清本人が残した文書は極めて少ない。これまでに知られていた自筆文書は僅か3通だが、義清が書いた文書が一去年京都で発見された。これは晩年に義清が出家し「村上入道無徹」と称していた時の名前で書かれたもので、村石さんは花押の形から間違いなく本人の文書だと判断した。

 講演ではそのほか義清が上田原の戦いで武田軍を打ち破ったことを喧伝する文書や、越後で上杉謙信に仕えた際の文書なども紹介。義清が上杉家では「取次」と呼ばれる他国との交渉の重要な仲介役であったことを説明した。

講師の村石正行さん (長野県立歴史館文献史料課長)