「制戒山 見性寺史」寺史が完成

「制戒山 見性寺史」寺史が完成

 天正三年(1575)開基と伝わる見性寺(上山田新山・田崎紀彦住職)で寺の歴史をまとめた「制戒山 見性寺史」がこのほど完成した。寺史作成のきっかけは平成29年。当初は寺に保管されていた古文書の研究をするため、年代別に整理分類を始めた。それを檀家の一人で県立歴史館で古文書整理をしていた坂城町の大橋昌人さんが中心となり翻訳。檀家の10人ほどのメンバーで委員会を作って毎月集まり作業を進めていくなか、寺史としてまとめて刊行することとなったという。寺史の総監修は更埴市史や戸倉町史の編纂の経験がある大橋さんが務めた。

 見性寺は江戸期(正徳・天明)に二度の大火に見舞われ、その際に多くの史料が失われたが、それ以前の文書も寺に残されていた。さらに檀家からも文書類を提供してもらい、総数は500点ほどになった。村の名主を務めていた檀家もあり、当時の歴史を知るうえでも貴重な資料が多いという。

 委員会では先代の第二十一世住職の退董入寺式までの完成を目指し編纂を進め、昨年10月に刊行に至った。800冊を作成し、檀信徒へ556冊を配布したほか、県立図書館や歴史館などにも寄贈している。田崎住職は「檀家の皆さんが発起人となり、これだけしっかりとした寺史を作ったのは例を見ないものでは」と話している。

寺に保管されていた貴重な文書類 現在は目録を付け整理・分類をした状態で収納されている