おじょこな800字小説 第二十回 「満月に祈る」 作:塚田浩司 「うまい話がある。バッグをただ言われた通りの場所に運ぶだけだ」 中学時代の同級生、高畑からそう持ち掛けられた時、すでに嫌な予感がして
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おじょこな800字小説 第十九回「男の宿命」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十九回「男の宿命」 作・塚田浩司 尊敬する父はいつもそう言っていた。男というのは女性の目を意識するがゆえに結果を出す。政治家やスポーツ選手、弁護士や医者もそうだ。それに子孫
おじょこな800字小説 第十八回「私が知らないお母さん」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十八回 「私が知らないお母さん」 作・塚田浩司 家に帰ると、母の部屋のドアが少しだけ開いていた。覗いてみると、そこには私の知らないお母さんがいた。 私が見ていることに
おじょこな800字小説 第十七回「恭子ちゃん」 作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十七回「恭子ちゃん」 作・塚田浩司 風がひんやりしてくると、かならず恭子ちゃんのことを思い出す。 あれは、小学校高学年のことだったと思う。私は恭子ちゃんと二人で近所のお
おじょこな800字小説 第十六回「金魚すくい」 作・塚田浩司
第十六回「金魚すくい」 作・塚田浩司 「金魚すくい一回お願いします」 網と交換に瞬は二百円をおじさんに渡した。 これは小学校が主催したお祭り。一人千円まで使えるんだけど、綿飴、たこ焼き、輪投げな
おじょこな800字小説 第十五回「スイカ」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十五回 「スイカ」 作・塚田浩司 今年もスイカが送られてきた。私の実家はスイカ農家なので、夏になると必ずスイカが届く。一人で一玉なんか食べられるわけがない。そう思いながら
おじょこな800字小説 第十四回「雨アレルギー」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第十四回「雨アレルギー」 作・塚田浩司 六月の雨が降りしきる中、僕はお弁当と結婚情報誌を買い、婚約者である優衣のアパートに向かった。そこで夕食を食べながら披露宴の会場選びをす
おじょこな800字小説 第十三回「一心同体」作・塚田浩司
おじょこな800字小説第十三回 「一心同体」 作・塚田浩司 杏が咲く季節。久しぶりに森にある実家に帰った。 「ああ、裕貴。きてくれたんだね」 祖母は嬉しそうに僕を迎えてくれた。 孫としての僕の役目
おじょこな800字小説 第9回 「遅れてきたサンタクロース」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第9回 「遅れてきたサンタクロース」 窓の外の雪だるまを見ながら、また怒りが込み上げてきた。翔はここ数日すっと不機嫌だった。 なぜならこの前のクリスマスにプレゼントをもらえ
おじょこな800字小説 第8回「狐」作・塚田浩司
おじょこな800字小説 第8回 「狐」 作・塚田浩司 いつもの通学路を歩いていると、土手の真ん中に黒いランドセルの人だかりが出来ていた。不思議に思った僕は、人波をかき分けて輪の中心に進んだ。するとそ