さらはにズム ちくま論説

さらはにズム ちくま論説 2024年8月

さらはにズム ちくま論説  ▼JR長野駅前の大規模再開発計画が進展中だ。長野市は一昨年「長野中央西地区市街地総合再生基本計画」を策定し、長野駅周辺エリア(善光寺口)について地上100m、28階建てのタワーマンションの建設の計画を打ち出した(2029年度完成予定)。場所は末広町交差点の一角のエリアで、基本計画では「魅力とにぎわいを生み出すまちの玄関口」という方向性を掲げている。 ▼しかし県都の駅前の ...

さらはにズム ちくま論説 2024年7月

さらはにズム ちくま論説 2024年7月  ▼猛暑と豪雨の夏が日本に居座っている昨今、悪環境何するものぞと、今年も各地区でお祭が盛んだ。先月は、上山田温泉夏祭りや稲荷山の祇園祭に、生憎の雨模様の中、多くの老若男女が参加し、楽しんでいたそうだ。今月もまた屋代駅前の千曲夏祭り(8月11日)や屋代の須須岐水神社の茅の輪祭(8月31日)などが準備に勤しんでいるそうで楽しみだ。 ▼私の竹馬の友のこんな遺作が ...

さらはにズム ちくま論説 2024年6月

さらはにズム ちくま論説  ▼屋代南高校存続死守の動きが急を告げている!昨年1月に決定した「高校改革~夢に挑戦する学び~再編・整備計画」(第三次)に基づいて、県教育委員会が統合新校ごとの再編実施基本計画を策定するにあたって、旧第4通学区の意見や要望をヒアリングする趣旨で、「再編実施計画懇話会」が今年の1月、4月、6月開催された。いずれも懇話会の目的、趣旨には程遠いパフォーマンスで、千曲市の屋代南高 ...

さらはにズム ちくま論説 2024年5月

さらはにズム ちくま論説  ▼新緑が映える瑞々しい季節がやってきた。しなの鉄道屋代駅前通りの街路樹達も緑で真っ盛り。なんじゃもんじゃや、西洋菩提樹や、なかでも平成23年駅前通り再生支援事業の記念に植えた13本の欅(けやき)が頼もしい。樹齢10数年の木々はこれから秋口まで、商店街の広い歩道の緑陰として歩行者に癒しと活力を与えてくれる。 ▼一方、木々は小鳥に棲み処を与えることで、小鳥たちの耳障りな鳴き ...

さらはにズム ちくま論説 2024年4月

さらはにズム ちくま論説  今から200年ほど前のあんずの里森村の名主・中條唯七郎が残した「本家日記」を読む講座が開設されて一年が経った。三月の講座で講師の柄木田先生は、中条唯七郎が何故数十年の間、当時の農村の自然現象や社会現象をありのままに記述した膨大な記録を残したのかを熱く語られた。 ▼それについては先生の共著「江戸の人と身分5」の「覚醒する地域意識」に詳しい。唯七郎は弘化4年、今までの記録を ...

さらはにズム ちくま論説 2024年3月

さらはにズム ちくま論説  今年入学の小学一年生は推定で90数万人だそうだ。入学式には7冊の真新しい教科書が無償給付される。こくご、しょしゃ、さんすう、せいかつ、おんがく、ずがこうさく、どうとく。小中学の教科書は55年前から無償給付され、おおむね4年毎に改訂されているが、今年度は小学生の教科書がその改訂の年。改訂は小中学校学習指導要領の改訂に則してなされる ▼明治5年の学制広布により近代の学校制度 ...

さらはにズム ちくま論説 2024年2月

さらはにズム ちくま論説 「ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で2年、戦死19万人見えぬ出口」との新聞見出しを目にした。日常の忙しさにかまけてポーランドの坂本龍太朗さんのことをすっかり忘れていたことを恐縮した。郷里の屋代を離れて十数年、ポーランドで日本人学校経営のかたわら、日本の文化をポーランド内外に紹介、両国の橋渡しなどグローバルな活躍をされてきた。今はウクライナ支援にまい進、孤軍奮闘され、西 ...

さらはにズム ちくま論説 2024年1月

さらはにズム ちくま論説 2401 ▼今から110年ほど前、「大逆事件」という恐ろしく、おぞましい事件が起こった。明治維新と大政奉還が成立し、自由民権運動が起こり、列国と条約が交わされ、富国強兵、殖産振興が進んで、日清・日露戦争に勝利し、列国と肩を並べ、いよいよ明治政府は天皇中心の独裁的な中央集権国家へと歩を進めていく。一方、社会は各地に農民騒動、反戦運動、貧富の差の拡大への不満が増大しつつあった ...

さらはにズム ちくま論説 2023年12月

さらはにズム ちくま論説 ▼昨年の早春に、日本近世史研究家の柄木田文明先生(雨宮在住)より「中条唯七郎・本家日記」の翻刻版が近〃出版されるので、それをテキストに読み解く講座を開いたらどうかとのご提案があった。早速参加者を応募して、4月より地元の人を中心に20人が先生のご指導の下「中条唯七郎・本家日記を読む会」が毎月1回のペースで始まった。 ▼江戸時代後期に、埴科郡森村(現千曲市森)の名主・中条唯七 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年11月

さらはにズム ちくま論説  「潮目が変わる」とは、今の千曲市にぴったりの言葉ではないだろうか!雨宮エリアの大和ハウス、新光電気など大手企業の進出、長野電子工業の工場拡充等、八幡地区では建設機械・重機レンタルのアクティオの進出などが目白押し。 ▼千曲市の中心市街地のひとつ屋代駅前通り商店街もここへきて動きが出て来ている。信州ブレイブウォリアーズの長野市への移転、国道18号に面した日本デルモンテ長野工 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年11月

ちくま論説 さらはニズム ▼平成3年(1991年)千曲市の森将軍塚古墳が多くの市民などの協力により完全復原された翌年の夏のある日、教育委員会(当時更埴市)の係長さんから電話があり、古墳の復原完成を記念してイベントを開催したいが相談に乗ってくれないか、という話があった。市内の諸団体に呼びかけて実行委員会をつくり、その前の企画委員をやってくれ、ということで次の年からは事務局の企画委員長をおおせつかった ...

さらはにズム ちくま論説 2023年9月

ちくま論説 さらはにズム ▼日本代表AKATSUKIJAPANの躍進で大きな盛り上がりを見せたバスケットボールW杯。元信州BW・ホーキンソン選手の活躍に胸を熱くした人も多かったことだろう。最高の雰囲気の中今季のプロバスケリーグ・Bリーグも開幕する。 ▼だが「マザータウン」千曲市での受け止めは複雑だ。bjリーグ時代から毎年行われてきた千曲市での公式戦は今季1試合も開催されない。地元商店街で力を入れ協 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年8月

さらはにズム ちくま論説 ▼「連携しなくては、何も進まない」。この気持ちが、街の活性化に発揮されているのが、小諸市だ。かつて商都として栄えてきた。小諸駅も長野新幹線が開通するまでは、特急「あさま」が停車し、小海線のターミナル駅だった。駅近くの懐古園は、筆者が屋代小の5年のころ、遠足に行った。ゾウがいたり、「笛吹きおじさん」がいたり、わくわくするような場所だった。それが今やさびれてしまった。人口減少 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年7月

さらはにズム ちくま論説 ▼阿部守一知事は昨年、四選を果たしてから県内の77市町村をそれぞれ訪ねて、地域の県民との対話集会を行っている。千曲市でも今年一月に実施された。有機農法の振興や地元特産のあんずをどう次の世代につなげていくかといった意見が出されて、県からの協力や助言を求めていた。この席で阿部知事は「私が言ったり、県の計画に書いたりしただけでは広がらない。一緒に考えていきたい」と述べるとともに ...

さらはにズム ちくま論説 2023年5月

さらはにズム ちくま論説 ▼更埴市、戸倉町、上山田町の1市2町が合併して千曲市になって今年2023年で二十年になる。それを記念して6月9日に八神純子、7月7日に華原朋美のコンサートがそれぞれ市内のあんずホールで開かれる。二人は千曲市とは縁があるのだろうか。予算は1400万円かかる。千曲市出身のアーティストによる『ハートフルコンサート』なら予算は180万円という。▼「知らなかった。いつ決まったの」。 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年7月

さらはにズム ちくま論説 ▼「政治はケンカだ!」と激闘の12年、兵庫県明石市長をこの4月に引退した泉房穂さんの著書を読んだ。「人から嫌われたくない」なんて思ったことはない。嫌われても恨まれても、市民のために結果を出すことが政治家としての私にミッションだったから、そして多くの市民が私を信じてくれたから、ブレることなく走り切ることができたのだと、まえがきにきっぱり。 ▼12年前の市長選初出馬が画期的だ ...

さらはにズム ちくま論説 2023年3月

ちくま論説 ▼信州ブレイブウォリアーズの運営会社・信州スポーツスピリットが千曲市から移転した。事務所は長野市川中島の新オフィスへと移った。屋代駅前通り商店街の旧事務所には今後ユース組織の別法人が入る予定だという。▼奇しくも埴生地区では昨年末から年初にかけて快活CLUB(ネットカフェ)、コート・ダジュール(カラオケ)のチェーン店が相次いで撤退。いずれも長野市内の別店舗への統合とのことだ。今回の決定は ...

さらはにズム ちくま論説 2023年3月

さらはにズム ちくま論説 ▼国の重要無形民俗文化財「雨宮の御神事」は先月29日、6年振りに執り行われたが、コロナの所為で朝踊り、城踊りなど日吉神社の境内でだけのお祭りだった。今年こそは再開しようと村の人達で喧々諤々の話し合いがあったそうだ。500年以上前から先人たちが厚い信仰心を重ねてきた賜だからこそのぎりぎりの決断だった。 ▼今から1600年前に造られた史跡・森将軍塚古墳は60年ほど前、古墳の周 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年2月

さらはにズム ちくま論説 ▼千曲市は本年、合併して20年を迎える。2000年7月、一市二町の「合併協議会」が設立。以来、2003年までに実に35回にわたる協議会が開催された。 ▼この間には「新市将来構想」の策定や合併に伴う膨大な量の「事務事業の一元化」。77か所での住民説明会の開催。そして18歳以上の住民による「合併の賛否を問うアンケート」では、賛成が61・7%、反対が21・5%だった。 ▼また、 ...

さらはにズム ちくま論説 2023年1月

さらはにズム ちくま論説 ▼ 明治40年代に起きた前代未聞、極めて理不尽な「大逆事件」に連座、暗黒裁判で死刑を求刑され処刑された新村忠雄の命日の1月24日、屋代の生蓮寺に墓参した。墓前で手を合わせていると、なぜか昨年の安倍元総理の銃撃事件が脳裏に浮かんだ。近頃タモリさんが言い出した「新しい戦前」という言葉が人口に膾炙しているが、今の日本の社会情勢は「大逆事件」の頃の不透明で納まりのない世の中のよう ...