◆特集①変化する街 清泉大農学部開校が契機に1月から校舎の建設本格化 相次ぐアパートの建設計画
千曲市は「変化」しつつある。契機となったのは旧更埴庁舎の跡地に来年2027年4月に清泉大学農学部が開校することだ。千曲市も本格的な支援策をホームページなどで公表した。地域には入学する学生などに向けたアパート建設も始まった。新年から地域に「新たな風」が吹き始めた。
清泉大学は昨年12月18日、来年4月開設予定の農学部となる千曲キャンパス(杭瀬下)の起工式が行われた(別稿)。地上3階建て、講義室のほか研究・実験室、ワインの醸造施設などを備える予定。総事業費は約30億円で、26年12月の竣工を予定する。千曲キャンパスに開設するのは農学部アグリデザイン学科で定員は85人。信州の強みである発酵醸造産業の発展に寄与するほか農業経営の知見を踏まえて地域の課題解決にも貢献できる人材育成を目指す。
千曲市も同大農学部への支援策をまとめた。建築資材や建設にかかわる人件費の高騰によって校舎建築、設備、備品にかかる経費について財政支援するため昨年9月補正予算で8億円を債務負担として計上(高等教育機関関連対策事業)、うち4億円を県に支援要請、県も補正予算で支出を決定した。そのほか学校用地の無償貸与(令和7年7月1日~令和13年3月31日、年額で400万円弱程度)、実習用農場の紹介、状況に応じて大学周辺のアクセス道路や公園など市が支援できるインフラ整備を実施する構えだ。支援の実施にあたって千曲市は学校法人清泉女学院と基本協定書を締結した。
さらに、本紙でも指摘したが、千曲市は清泉大とともに、地元の支援企業の「木の花屋」(宮城商店)、高村商店、長野銘醸をはじめ千曲商工会議所、戸倉上山田商工会とも連携して「支援連携チーム」を立ち上げて、開校後の支援体制を作ってほしいものだ。
こうした中で、民間も動き出している。
◆農学部開校に向けてアパート建設
日本デルモンテ長野工場の解体後は更地に商業施設?宅地?
昨年9月に操業を完全に終えた日本デルモンテ長野工場は、解体工事がこの5月末までの予定で始まった。キッコーマン食品が所有している工場施設が解体されて、更地になるという。工事は中信建設が請け負った。更地にした後、何ができるのか。計画として新たな商業施設や住宅地になるのではとの推測が出ている。地元の建設関係者には、工場に隣接する土地の測量写真を撮らせて欲しいとの打診があったという。
農学部の校舎に近く、国道18号線の南に向けての東側(左側)で立地もよい。さらに、しなの鉄道屋代駅近くには、大手戸建て住宅企業がアパート建設に着工し、6月には完成する予定だ。
◆街づくりは「おもてなし」の気持ちで
屋代駅から千曲市役所に続く杭瀬下交差点までの「屋代駅前通り商店街」は、かつて百店余りの店舗があった。また屋代駅前交差点から北に向かって須須岐水神社への商店街は五十近い店があった。県道が拡幅されて、歩道も広くなったが、大半の店が閉じた。今は老舗の雑貨店や酒店、理髪店と薬局、昔からお客さんが来られる美容室が残った。その数は10店ほどだ。
それでも、ここにきて、屋代駅前商店街は、「屋代西沢書店」が入る「萬屋ビルヂング」の1階に町中華の店が昨年秋から専門に入り、金、土曜日は午後10時ごろまで営業している。屋代駅前のカフェも開店1周年を迎えた。
少しずつだが、「おもてなし」の店とともに「賑わい」が復活しつつある。
清泉大農学部の開校がすぐに賑わいに直結するかどうかはわからないが、賑わいを取り戻す「チャンス」の到来ではないか。この流れに屋代南高校のライフデザイン科と普通科も「連携」できるはずだ。この「チャンス」を生かすために、地元商店だけでなく、市役所の職員をはじめ市民の皆さんもアイデアを出して、盛り上げていきたいものだ。
(本紙特任記者・中澤幸彦)

司祭による土地の祝福(清泉大学ハビエル館祝福式)

打沢しなの鉄道屋代駅前の近くで「アパート」の建設が始まった
