◆私の未来図R7 特集① 鉄道の駅から「街のにぎわい」を発信 地域からのアイデアを活用していく
2025年「巳年」!豊穣神・天候の神様・蛇は脱皮することから「復活や再生」への守り神ともいわれる。商売やビジネス、学業も努力すれば報われる。失敗しても頑張れば復活に繋げたい新年としたいところだ。街づくりも一気にいきたいところだがそうもいかない。それでも一歩ずつ進んでいるようだ。
☆戸倉駅・屋代駅で賑わい創出イベント
しなの鉄道屋代駅の宮本直人駅長に駅を中心とした街づくりなどについて聞いてみた。「通勤通学の電車に乗る方の安全と安心と快適なことがまず一番。その次に駅が地域の皆さんにとって身近な存在であることをあげる。地域の皆さんに愛されるためのアイデアをぜひ提案してほしい」と語る。しなの鉄道としては、電車の安全で快適な運行が最優先とされる。昨年12月には戸倉駅と屋代駅で千曲市役所が会場のチクマクリスマスマーケットと連携したイベントも初開催された。戸倉駅は食べものとお酒を中心とした催しだった。【関連記事第12面】
屋代駅の年間乗降客数は約120万人(2023年度)。上田駅はその3倍の330万人、高校のある数の違いが数字にも反映されている。しかし、ガソリン価格の高騰が続く中、電車の活用はもっと考えてよいだろう。
☆屋代駅などで「市内の高校2校維持存続を求める」署名活動
新年になってから具体化するが、「千曲市内の高校2校維持存続を求める」署名を屋代駅を中心に展開する予定だ。署名は、長野県教育委員会の武田育夫教育長あてに、「豊かな学びを育む会」(千曲市杭瀬下三丁目九、千曲商工会議所内、小川修一会長)が提出者となる。すでに市内各戸に署名簿は配布されている。この署名活動を屋代駅でも行う。しなの鉄道本社に宮本屋代駅長が打診してもらった。本社も千曲商議所の依頼を踏まえて、署名活動を支持、許可したもらった経緯がある。武井音兵衛会頭、矢島隆生副会頭はじめ栗原達専務理事ら事務局スタッフの尽力によるところが大きい。ぜひ実りある署名活動に協力していきたい。
しかし、駅を身近に感じてもらうには、なかなか難しいところもある。場所によって管理する行政が異なっている。例えば、屋代駅は向かって左側にある市民ギャラリーが、千曲市の管理管轄。駅前のロータリーは長野県(道路管理部門)の管理となっている。12月20日にはこの広場の樹木に恒例のクリスマスイルミネーションを屋代南高校の生徒が手掛けていた。これは同校美術科の長門裕幸教諭が指導して、生徒達が自主制作したイルミネーションを飾り付けているものだ。
昨年9月には 放課後の子どもたちが気軽に立ち寄り、悩みなどを相談し合えるカフェが、しなの鉄道屋代駅に「駅ナカ居場所カフェ」としてオープンした。当時の報道によると、新学期が始まる9月の時期は悩んでしまう子供たちが増える傾向にあるため、若者の支援をしている団体が、放課後の子どもたちが気軽に立ち寄り悩みを相談し合える場所を提供しようと作った。オープン初日はさっそく中高生が訪れ、お菓子を食べながら楽しそうに話をしたり、勉強したりしたという。男子高校生は「こういう場があることで少しでも気楽に日常を過ごせると思います」と話していた。
開設した「オレンジファム」の代表、中島壮太さんは「いろいろな人と話をして悩んだときに頼れる人を少しでも増やしてほしい」と話した。使用を許可した千曲市も支援していくだろう。【第4面に中島壮太さんの「私の未来戦略」を掲載】
☆賑わいは「やる気」のある人の意志がつくる。カフェオーナーの志
「朝食を食べない若者が多いですね」。こう話すのは 昨年9月下旬にしなの鉄道屋代駅前にオープンした「Maゐcafe」のオーナーの渡辺まみ子さん(56)=千曲市小島。保健師、カウンセラーの資格をもつ渡辺さんは十年前から計画していた「健康的なカフェ」と記者はみた。
朝7時から午後4時までの営業。定休日は土、日、祝日。出勤や通学前に特に朝食を食べない若い方は、立ち寄ってモーニングを取ってほしいという。モーニングは7時から10時まで。トーストセットはゆで卵、ミニサラダ、コーヒーで500円。おにぎりセットは、注文を受けてからつくるおにぎり二個、味噌汁、おしんこで600円。記者もリーズナブルな価格だと思う。月曜から木曜日は日替わりランチ(1000円)を提供。金曜日はカレーライス、ミニサラダ付きで1000円だ。
オープンして3か月が経った。まだまだというが、それでも「常連さん」もいる。「いずれは健康的な食のイベントを実施したい」と渡辺さんの志は高い。
☆姨捨駅の賑わいは
日本三大車窓といわれて、善光寺平がプラットホームから一望できるJR篠ノ井線姨捨駅。鉄道ファンの中でも、カメラで列車などを撮影する「撮り鉄」はよく駅に来ている。高級列車「四季島」も運行されていた。ただリピータ―はどうなのだろうか。JR東日本の冨田哲郎相談役(元社長・会長)は「わたしも行った。賑わいのための提案は検討するが、地域の皆さんの知恵もぜひ必要です」と明かす。
駅の活性化は自分のところだけでなく、身近な方がどのように支持していけるかどうか。「全体的」に潤うには、どうしたらよいか。新年だからこそ未来志向で考えていきたい。
(本紙特任記者 中澤幸彦)
戸倉駅呑みイベント
屋代駅クリスマスイベント
屋代駅前のイルミネーション
MaゐCafe