「デジとしょ信州」  運用始まる 市町村と県の協働電子図書館

「デジとしょ信州」  運用始まる 市町村と県の協働電子図書館

県内77市町村と県による協働電子図書館「デジとしょ信州」が8月5日から始まった。5日のサービス開始日には県立図書館と各自治体とをZoomによりオンラインで結んだオープニングセレモニーが開催された。セレモニーは運営委員会委員長の県立長野図書館・森いづみ館長が司会進行し、市長会長、県教育長らの祝辞に続いて実際にシステムのデモンストレーションを実演した。

 「デジとしょ信州」で閲覧可能な図書は現時点で新書やコミック等あわせて1万8000冊に上る。利用するためには事前に市町村の図書館で手続きを行い、ID登録する必要がある。スマートフォンやパソコンから貸し出しをすることができ、文字の大きさも三段階で調節が可能だ。データは貸出期限を迎えると自動的に消滅するので返却の手間もいらない。

 セレモニーに出席した千曲市の小松信美教育長は「これからはDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代になる。スマホなどでも気軽に利用できるので若い人の読書離れに歯止めがかかるとよいと思う」と期待を込めた。スタート初日の時点で千曲市内ではすでに158名が登録しているとのことで「合わせて市内の図書館にも行っていただきたい」と相互利用を呼び掛けた。

 「デジとしょ信州」運営委員会の副委員長を務める坂城町立図書館の鈴木康之館長は一年前からワーキンググループに参加。市町村と県の間の取りまとめを行い、準備を進めてきた。電子図書館の取り組みはここ数年本格化しているが、県内全市町村で運用するのは全国でも先駆けとなる。鈴木館長は「図書館利用は公平性が大事。全県一斉に始められたのは大きい」とし「他県にも波及していくのでは」と話す。坂城町でもサービス開始後に登録者が増加し、現在50名を超えているという。

オープニングセレモニー

(千曲市役所 8月5日)

「デジとしょ信州」