「上山田温泉物語」 第10回 「湯気の向こうにグァムが見える」
「湯気の向こうにグァムが見える」
森の「あんず祭り」が昭和31年に始まるが、旅館の営業マンは目玉として企画書を作った。後には観光協会で「信州旅行情報」で小諸・高遠の桜、善光寺ご開帳等、首都圏・中京・関西から出発の企画モデルコースを作り、入場施設案内・料金リストなど掲載して全国津々浦々の旅行業者に宣伝ツールとして持参誘客した。
観光バスや鉄道の団臨での関東・東海・中京・関西からの団体は、秋の紅葉シーズンが終わると、翌年春まで入込客がなくなってしまう。
そこで、戸倉上山田温泉では旅館組合が協力し、「戸倉上山田温泉ビックプレゼント」と言う名目で、誘客対策を行った。冬場に宿泊したお客様にラベルの裏に当たり券を印刷したポケットティッシュを配る、歳によっては応募はがきに記入してもらい、4月に抽選をする。キャッチフレーズは「湯気の向こうにグァムが見える」
当選者には海外旅行の無料招待、格安優待料金で海外旅行を行った。このイベント経費は各旅館がくじ一枚20円で旅館が購入することで賄った。
折しも飲酒運転の摘発が厳しくなり、権堂で1次会・2次会の後タクシーで帰るのであれば、旅館で忘年会・新年会をすれば半分ぐらいの料金で済むと、戸倉上山田温泉での忘年会・新年会がブームとなった。地元客比率は50%を超えマイカーによる来訪者が増え、近くに来るにつれ渋滞に巻き込まれるということも頻発した。
駐車場問題、例えば180名の宿泊客に対し自動車130台の駐車場を用意しなくてはならないという状況が発生した。旅館ではマイクロバスを用意し送迎なども行うようになった。
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