「上山田温泉物語」 第20回 上山田温泉で温泉熱の発電は可能か?
再生可能エネルギーで地熱発電が有力な方法と言われています。
昨年2月の長野県環境審議会温泉審査部会では中部電力申請の小谷村の2カ所に源泉掘削が承認されました。
戸倉上山田温泉も温泉熱を利用した発電を考えたらとのご意見を耳にします。
フラッシュ式では200℃以上の地熱流体すなわち地上に噴出した蒸気でタービンを回し発電します。熱回収し出現した温水の一部を地元に温泉水として活用し、残りの温熱水を地中に戻します。この時に成分がパイプの内側に付着します。地熱発電の還元井には結晶化しないよう硫酸などの強酸を混入して地中に湯を戻します。
発電ではありませんが松代加賀井温泉では20センチのパイプに写真のように成分が結晶化します。
バイナリー式では70~130℃の地熱流体が必要になります。水よりも沸点の低いアンモニア水等の作動媒体を沸騰させ、その蒸気でタービンを稼働させます。
上山田温泉㈱では30~60℃の複数源泉を混合し配湯していますが、熱を取ってしまうと掛け流しが難しく、温度上昇のため化石燃料を使う必要があり、本末転倒になってしまいます。
現在の技術では熱の再利用はともかく地熱発電は難しいと考えています。
大地震の後に上山田温泉㈱の泉源は動水位や温度がわずかに上昇し、次第に平常に戻りました。地下は繋がっています。地熱発電には注視をしています。

