「さらしな堂」更級にオープン
冠着山のふもと、千曲市更級地区若宮で生活雑貨を販売、約10年前に閉店した大谷商店。このほど同店長男の大谷善邦さん(60)が勤め先を定年退職、店舗を改装し、「夢の作文支援センター・さらしな堂」をオープンした。
大谷さんは生地の地区名「更級」が、平安時代の「更級日記」の題名になるほど古来、日本人の憧れだったことを二十数年前に知り、新聞記者の仕事をしながら「更級」の歴史や魅力を調べてきた。昨年8月の定年を機に、新聞記者の経験を生かし「更級日記」の作者のように伝えたい思いがある人の文章制作のお手伝いをすることにしたという。
店内には、大谷さんがこれまで作ってきた本や冊子、更級の歴史文化を紹介するかわら版「更級への旅」などを展示。手に取って見たり、読んだりするスペースがある。店舗の一角には10人ほどが集まれる会議室も設置。会合の場所を探している人の相談にも乗るという。
大谷さんは「伝えたい思いを形にするには、普段の暮らしで心がけておくといいことがあり、ホームページに連載しています。本に限らず、1枚に写真や見出しをつければ立派な思いの形です。なかなか形にならない思いがありましたら、ご相談ください」と話す。
これまで行ってきた「さらしな」の地名の魅力を深掘りし、地域づくりに活用する活動は今後も続けていくという。
さらしな堂店頭