「新説 川中島合戦」(会場・見性寺桃源閣)新山 歴史講座
「新山の歴史と自然に学ぶ会」は新山歴史講演会を8月17日に見性寺桃源閣で開催。講師を務めたのは長野県立歴史館の文献史料課長・村石正行氏。今回の公演では「新説川中島合戦 地元のお城を中心に」と題し、武田と上杉の戦いにおける入山城や佐野山城など千曲市の山城の歴史を解説した。
武田晴信(信玄)と長尾景虎(上杉謙信)の川中島の戦いについては通説では5回の合戦があったとされているが、村石氏はこの争いが川中島四郡(高井・水内・更級・埴科)の領有を巡るものであると解説。その領域の捉え方などで、合戦の回数は2回から7回まで複数の説があることを説明した。また、川中島合戦は不明な点も多く、正確な内容はわからないとして「新しい史料が出てくることによって歴史のイメージは大きく変わる」と語った。
講座では近年発見された古文書のうち入山城や上山田に関連するものを中心に内容を分析し、合戦の経緯や武田・上杉双方の思惑や背景を読み解いた。一般的に武田に敗れた村上義清ら信濃の武将が助力を求めたことに長尾景虎が応えて川中島合戦が起きたと理解されているが、村石氏は「景虎側は更級・埴科と小県郡の境界が武田との国境という理解だった」と分析。必ずしも「義」だけで戦った訳ではないと語った。
会場には庄内神社所蔵の「新山検地帳」も展示された。
講演を行う村石正行氏(主催・新山の歴史と自然に学ぶ会、新山自治会教育文化部会、曹洞宗制戒山見性寺)