【新春・千曲市まちづくりを考える】「ヘルシーロード」づくりを 病院、薬局、理容、美容と健康のための街

「ヘルシーロード」づくりを 病院、薬局、理容、美容と健康のための街  お年寄りから子供が集える スーパー銭湯がある健康センターも

◆外で楽しめる街に

 お年寄りが家で閉じこもりにならないような、社会参加ができる環境整備(ハード)と社会参加を支援する活動整備(ソフト)、さらに、社会参加を手伝う市民の心(ハート)が必要となろう。これらが整備されると、散歩する楽しみが増えよう。それぞれの地域に、居場所ができ、生き甲斐が生まれ、楽しい役割も育ってくると期待できる。

 こうした社会参加の活動について、東京都の「ねりま健育会病院」の酒向正春院長のアイデアがとても参考になる。酒向さんは「タウンリハビリテーション」すなわち「タウンリハ」と呼んで、整備を自治体などに提案している。

 医療保険や介護保険でなく、この「タウンリハ」について地方自治体を中心に地域で実践される社会参加支援活動を強化することによって、病気や認知症を予防して、医療と介護の費用を抑える取り組みがぜひ必要と、酒向さんは主張している。

 さらに、酒向さんは、全国民が平等に世界最先端の医療サービスを受けられる国民皆保険を有する日本は世界でも稀な国と指摘したうえで、高齢社会が急激に進行しており、「日本で立派に生きて、立派に死ぬためには、何が必要でしょうか」と問題提起し、併せて「超高齢社会で、高齢者、障害者、幼少者を含めたすべての人々が生き生きと暮らすためには、どのような街づくりが必要でしょうか」と問いかける。

◆日本の年間の社会保障給付金はどのくらいか

 5年前の数値だが、厚生労働省によると、2018年で121兆円、2025年にはおよそ140兆円になると見込まれる。8年間で医療と介護の費用が、およそ20兆円の増加になると示されている。この費用がどれほど莫大であるかというと、日本の防衛費と公共事業費の総額が、それぞれ5兆円台であることを考えれば、明らかだ。日本における深刻な問題となっている。

 これからの日本は、医療と介護にかかる費用をスリムにコントロールしながら、いかに健康医療福祉の体制を構築していくかが重要になることは誰もが理解できる。

 「未来図」ではなく、ぜひとも健康第一の街づくり、銭湯の復活による「ヘルシーロード」の実現に向けて新年からは動きたいものだ。

(ちくま未来新聞特任記者・中澤幸彦)

屋代駅前ふれあい通り商店街  にぎやかマップ (2012年2月発行)

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