【特集】千曲市立更埴図書館 「知の発信拠点」としてさらなる成長を
特集
◆千曲市の図書館①
千曲市内には、戸倉図書館、更埴図書館、更埴西図書館と各地域に3つの市立図書館がある
※注。
この中には、特徴ある活動や講座を開いたりしている図書館もある。スタッフや予算の事情もあるのだろうが、特に更埴図書館では、この5月から通年講座4コースが開かれている。 毎月一回開かれている講座のひとつに「まだ知られていないふしぎな信州!」は隣にある信州の幸あんずホールで5月21日から毎月第3水曜日の午前10時から11時半まで。講師は長野県地理学会の市川正夫会長。定員24人、このほか「俳句を楽しみましょう」「源氏物語の世界」「宇宙はなぜ存在するのか?」といった講座がスタートした(すでに定員に達している講座もあるため詳しいことは更埴図書館〔電話026‐273‐2989〕にお問い合わせください)。
☆独自のイベントと連携した講座も
こうした講座は、市民の関心を呼ぶケースが多い。図書館独自の講座だけでなく、例えば7月26日に第20回人権を守る市民集会の記念講演では美容家でタレントのIKKOさんがトークショーを行う予定だ。市内の各図書館では講演の前に、IKKOさんが出ている書籍、雑誌の貸し出しに尽力するといった「連携」も行われている。図書館が中心となり、小さく育てて連携した行事に市民の多くは期待している。
☆児童、園児への「読書ノート」と「おはなし会」に期待
更埴図書館は、令和6年4月から希望する方に「読書ノート」を配り、たくさんの本を読んでもらう活動をしている。対象年齢は園児(年中)から中学生まで。6ヵ月以内に「読書ノート」に読んだ本を記録し、すべての欄がいっぱいになったら図書館に持参すると、プレゼントがある。「読書ノート」は更埴図書館カウンターで配布しており、「お気軽にお声がけください」と呼びかけている。
また更埴図書館では、毎週土曜日午前10時30分より「おはなし会」を開いている。令和6年4月から「おはなし会カード」を配布して、おはなし会に参加すると、1回につき1つのスタンプがもらえる。スタンプは10個たまると、プレゼントがもらえる。「ぜひスタンプを10個ためてみてください」と、こちらも積極的な参加を呼びかけている。
こうした「読書ノート」や「おはなし会」の開催は、子どもたちが読書の楽しさに触れて、読書活動が生活の一部になるよう家庭、地域、学校等が連携して社会全体で子どもたちの読書活動の推進が大切としている。市役所やホールが近い更埴図書館に集中する傾向があるものの、戸倉図書館や更埴西図書館でもさらに独自講座などを計画して、図書館が「地域の知の発信拠点」としての役割を果たすとともに、市としてはこれまでの関連予算が十分かどうかの検証が必要なのではないだろうか。
こうした地道な取り組みの背景には、千曲市が子どもの読書活動を支援するため、「千曲市子ども読書活動推進計画」を策定しており、子どもの読書活動の推進への取り組みがある。「第三次千曲市子ども読書活動推進計画」の計画期間(令和2年~令和6年)が満了となったため、新たに「第四次千曲市子ども読書活動推進計画」策定された。
限られた予算やスタッフの中でのご尽力だと推察するが、地域の子供たちの未来への貢献は大きい。ぜひ継続して、知恵を絞ってもらいたいと思う。
※注 このほかに上山田公民館図書室がある(屋代駅市民ギャラリー図書コーナーは令和6年度末でサービス終了)
(本紙特任記者 中澤幸彦)
千曲市立更埴図書館

昭和55年(1980)開館 信州の幸あんずホール(千曲市更埴文化会館)と併設
市内小中学校図書館と同じ図書館システム(ブックネットちくま)による
ネットワークが構築されている
戸倉図書館

平成5年(1993)3月25日に旧戸倉町で「科野の里ふるさと創造館」が公民館と図書館を併設した生涯学習の拠点として竣工
旧戸倉町ではふるさと創造館を生涯学習センターと位置付けた
【戸倉図書館 6月イベント】
図書館園児訪問 4日(水)五加保育園 5日(木)更級保育園 6日(金)上山田保育園
更埴西図書館(田毎ふれあい図書館)

更埴西中学校の新校舎建築に合わせ中学の一角に平成23年(2011)4月竣工 学校図書館とは別に地域開放型図書館を併設し、更埴図書館の分館として管理運営を行う 愛称の「田毎ふれあい図書館」は市民からの公募で決められた
【更埴西図書館 6月イベント】
15日(日)サン3おはなし会 (絵本の読み聞かせ・紙芝居など)
※毎月第3日曜日に開催