さらはにズム ちくま論説 2024年7月

さらはにズム ちくま論説 2024年7月

 ▼猛暑と豪雨の夏が日本に居座っている昨今、悪環境何するものぞと、今年も各地区でお祭が盛んだ。先月は、上山田温泉夏祭りや稲荷山の祇園祭に、生憎の雨模様の中、多くの老若男女が参加し、楽しんでいたそうだ。今月もまた屋代駅前の千曲夏祭り(8月11日)や屋代の須須岐水神社の茅の輪祭(8月31日)などが準備に勤しんでいるそうで楽しみだ。

▼私の竹馬の友のこんな遺作があった。『エッセイ「おまつり」私の曽祖父は「おまつり」というあだ名だったという。明治六年生まれだったが、町のこと、神社やお寺のことなどに力を注いだらしい。祖父と父も町会議員を務めたので、いろいろな繋がりもあったのだろう。振り返ってみると、どうも私も「おまつり」の血を引いているようだ。三十歳のとき、途絶えていた春祭り神楽の復活運動を起こしたり、三十八歳で更埴どんしゃんまつりの創設を提案したり、四十九歳で森将軍塚まつりのスタートに関わり、森将軍塚で初日の出を拝む集いを企画、実行委員を続けている。毎年の屋代夏祭り歩行者天国にも長年関わってきた。まつりは楽しいし、そこに住む人の誇りでもある。これからも町の歴史や文化を引き継ぎ、新しい文化も創り出していきたいと思っている。』

▼彼の残したこのエッセイは千曲市のキャッチフレーズ「文化伝承創造都市」そのものを解説しているようで、今更ながら驚く。「まつり」は祭事であり、政(まつりごと)であって政治に通じ、まちづくりそのものだとある歴史の先生に教えてもらったが、千曲市の夏祭りの盛り上がりが「千曲市のまちづくり」に発展することを期待したい。「おまつり」さ~ん!ご活躍を!