さらはにズム ちくま論説
▼「聖地巡礼」という言葉は現代ではマンガやアニメの舞台となった実在の場所をファンが訪れる行動を指すようになった。大勢の外国人旅行者が「聖地」に詰め掛けているというニュースを目にした方も多いだろう。
▼「聖地巡礼」の先駆けとなったとされる作品に大町市の木崎湖を舞台とした「おねがいティーチャー」(略称・おねてぃ)というアニメがある。2002年のWOWOWでの放送作品だが未だに人気は衰えていない。昨年大町市で放送20周年を記念するファンイベントが開催され、監督や出演声優が勢ぞろいした。開催資金のクラウドファンディングには1400万円超の応募があったという。
▼さて、前置きが長くなったが、7月から千曲市を舞台としたTVアニメ「Turkey!」(ターキー)がテレビ信州、BS‐日テレなどで放送開始される。ボウリングに青春をかける5人の女子高生の物語だ。市内ではラッピングバスも走り、キャラクターの横断幕も駅などに飾られている。3月8日に千曲市役所駐車場で行われたお披露目セレモニーには市内外から放送を心待ちにする人たちが訪れ、なかには東京から駆け付けたファンもいたそうだ。長野市から来た一家はボウリングファンで「長野が盛り上がってくれたらいいな」と期待を寄せていた。
▼一方、空前の日本のサブカル人気の高まりのなか、アニメの年間製作本数は途方もない量になっている。毎クール40~50本もの新作アニメがOAされるなかで、注目を集め支持を得るのは並大抵のことではない。しかし、今回の「Turkey!」は出演声優にほとんどのアニメファンが知っているであろう有名な人気声優をキャスティングしている。また、脚本は実写畑出身で「ギャラクシー賞」受賞歴もある人物だ。第二の「おねてぃ」になれるか、期待して見守りたい。
(W・S)