『だるまちゃんと楽しむ 日本の子どものあそび読本』
加古里子著 福音館書店刊 １４００円十税
絵本作家として有名な、加古里子（かこさとし）さん。加古さんの作品で好きなものは？と聞かれて、あなたなら何の本を思い浮かべますか？おそらくは出版から五十年以上経ってもなおベストセラーとして愛される「だるまちゃん」シリーズや 「からすのパンやさん」シリーズをあげる人が多いのではないでしょうか？しかし名作は他にもたくさんあります。加古さんはもともと工学博士です。それゆえに『かわ』や『たいふう』に代表される科学絵本も数多く出版されています。２０１８年５月に慢性腎不全のため九十二歳で死去されていますが、世に残した絵本は幅広く実に６００冊を超えているのです。
そんな加古さんが晩年に残したこの本は、親しみあるだるまちゃんを登場させ、科学的要素も取り入れた日本の伝統的なあそびを、わかりやすい挿絵とフルカラーで紹介しています。草花を使ったり草原や広場などでの自然の中の遊び方や新聞紙を使った工作、紙ペンさえあればできる簡単なものから手や指だけの占いや手品など、今の子どもたちにとっては少し縁遠くなってしまった遊び愬を後世に伝えていきたい。そんな意図が汲み取れる１冊になっています。
コロナ禍においておうち時間も増えました。年末年始でさえ家族であっても行き会える機会は制限され、時間を持て余すこともあるかもしれません。そんな時にはこの本に掲載されているあそびで、原点に帰って楽しんでみるのも良いのではないでしょうか？
価格１５４０円（税込）屋代西沢書店ほか書店で発売中。
