ちくま論説 さらはにズム アドバイザー 委嘱に思う

千曲市長が「千曲市まちづくりアカデミー」アドバイザーを委嘱した若狭清史さん。一体どんな人なのかとネットで検索した。

経歴は長野県生まれ、長野日本大学高等学校卒、中央大学卒、米国議員事務所勤務。現在の役職は(社)日本地域科学総合研究所代表理事・兼主席研究員、辻・本郷グループ役員、(一社)日本中小企業経営支援機構理事、(一社)日本事業継続支援機構専務理事、NPO法人地域コミュニティ再生推進研究会理事長、NPO法人さらしなの里自然保育「ぼっこ」監事、(株)信州スポーツスピリットマネージメントアドバイザー。さらに活動経歴は経産省外局中小企業庁専門家、長野県地域共生コミュニケーターなど多数。何ともすごいプロフィールである。

 しかし、同氏は3月に一度顧問としての任用について一部の市民や議会から反対の声が上がり、市長が撤回した経緯がある人物だ。にもかかわらず再度起用したのは何故なのか?今回は複数のアドバイザーが委嘱を受けているが、同氏への委嘱理由については、議会のほか全員協議会でも緊急質問がなされた。市長はすでに説明は尽くしたとの考えだが、市民にも同氏の知識や経験の具体例について説得力ある説明がほしい。

千曲市では現市長の就任以前より、進行していたインフラプロジェクト(新幹線新駅誘致や屋代地区の大型商業施設誘致)が頓挫している。その原因は、議会と行政との間の真剣な討議とコミュニケーション、そして市民への情報の開示が不足していたことにあると言える。

また、場外車券発売場の件も市民に情報が行き渡らぬなか、あれよあれよという間に開場されるなど市民の知らないうちに事が進んだ。本来の行政や議会の仕組みがうまく機能していないというか、何かモヤモヤした見えない呪縛に市政が囚われているような気がしてならない。

このような不明瞭で無責任な慣行を断ち切るためにも、5月より始まった第三次千曲市総合計画審議会は非常に大切な存在だ。議会も一緒になって我が町の将来の姿を市民にわかりやすく情報提供すべきだろう。決して同じ轍を踏まないためにも。