議会改革への危機感
昨年12月、新市長を迎えての初議会が閉会。本会議や委員会では活発な議論が展開された。そんななか千曲市議会では議会改革の取り組みが本格化している。その狙いについて和田英幸議長に話を伺った。 改革を大きく推進させるきっかけとなったのは今回の市議選での投票率の大幅な低下たった。「きちんと市民の声が届けられているのか。疎かになっているのではないたらうかという思いがあった」と和田議長は語る。投票率の低下の一方で新人の候補者が現職以上に多くの票を得たことから、議会への信頼が低下しているのではないかという危機感を持つたという。
市民との対話の強化
そこで今年に入りスタートしたのが「市民と語る会」だ。正副議長と各委員長(8名)が市内全9力所の小学校区に出向き、地域住民の意見に耳を傾ける。地元選出の市議らも自由に参加するが、事務局は加わらない議員が主体の取り組みである。通常の公聴会とは異なる市民からから議会に対して意見をぶつけてもらうのが特色。まず第一弾として東小学校区で実施し、時間は1時間半ほどだったが参加者の反応は上々。2回目は上山田小学校区で開催。3月定例会前にほかの学校区でも行う予定で、議会後の夏から秋にかけて残りの小学校区を順次まわる予定になっている。
デジタル化の推進
デンタル化への動きも始まっている。昨年全議員にタブレット端末を導入。昨年度から準備を進めてきたが、8月にWi-Fi環境の工事が完了し、全議員にiPadが貸与され、研修も行われた。全市議へのタブレット導入は長野市、伊那市に続いて県内では3番目だという。これまでは事務連絡はFAXで行っていたが、事務所や自宅にいなくてもタブレットで書類を確認することができる(和田議長)」現在はまだ移行期間だが、6月議会からはペーパーレス化か加速する。500ページある予算書等電子データで確認することができ、重い紙の書類を持ち運ばなくともすくに手元で確認できるのは非常に効率的だ。住民意見の丁寧な集約と素早い対応。地域に寄り添っだ機動的な議会運営に期待したい。