昔から「鉄道駅」は町の顔。市内には5つの鉄道駅があるが、100年以上もの歴史を誇る駅は、屋代駅・戸倉駅と姨捨駅。いずれもその周りには人々が集まり商店や住宅を形成、町の中心地として発展してきた。
しかしながら長野オリンピック開催に合わせ北陸新幹線が開通。首都圈と日本海を結ぶ信越本線は群馬県で中断するとともに軽井沢以北がしなの鉄道に経営移管された。利用客も年々低下し、平成30年には年間約124万人と最盛期の半分にまで減少、商店街もいわゆるシャッター街化か進み、かつでの賑わいはとこへやらの状態だ。
このため、中心市街地活性化の主要なテーマとして、駅の活性化や周辺への個店立地、イベント開催による集客など様々な対策が講じられてきたが、なかなか活力は生まれてこない。 大げさなものでない。今は使わない草茫々で広告主のない錆びた広告看板が立ち並ぶホーム。これを新たな植栽を凝らして「あんずの里」にふごかしい美的感覚のある庭園にできないものか。リーダーたる人材は市内にはたくさんいる。この26日にちくま未来戦略サロンでトークゲストを務める越洋子さんはガーデニングデザイナー。更に市内には樹本医も造園業者も数多くいる。まずはお金をかけないで市民参加と連携による造園から始めたらどうだろうか。
小さな一歩ではあるが、廃線敷きや東側の今は使われていないテニスコートの再活用、更には一重山・森将軍塚への回遊起点等、夢とロマンのある未来戦略の切り口になると思う。
【ちくま未来戦略研究機構 ・調査研究部】
かつて屋代駅には長野電鉄が湯田中駅まで乗り入れており、東京からの多くのスキー客を志賀高原へと運んでいた。