シリーズ 未来への提案   その後を振り返る②  中心市街地活性化

シリーズ未来への提案   その後を振り返る②  中心市街地活性化

 本年3月に計画終了となった中心市街地活性化基本計画については「いわゆるハード面での取り組みはほとんどできなかったものの、計画推進のための活動を通して、多くの市民によるまちづくり研究が進んだ。このことにより千曲市全体のまちづくりが広がる」と総括された。

最近になって市内では、新たな産業立地や店舗出店等がみられる。

 雨宮・八幡の産業団地への工場や物流センターの建設、市役所通りと呼ばれる市道千曲線や、空き店舗や空き地が目立つ屋代駅前通りに新たな事務所やお店がお目見えしてきた。

 上山田温泉街にも移住者による新形態の開店が相次いでいる。

 しかしながら、戸倉駅前や稲荷山の街は、かつての賑わいは消えたままだ。

 人々の消費行動・買い物スタイルが巨大チェーン店やネット販売に淘汰されていく中で商店街のスタイルは大きく変容、衰退を余儀なくされている。しかし駅などの公共施設や市民の生活機能を提供している商店街は、正に暮らしの応援団。潤いと活力を与えてきた重要な生活空間だったはずだ。

 先に開かれた9月定例市議会では、川嶋議員が市内産業の実態把握や支援状況について質問。小林経済部長から主に工業についての各種相談や取引支援の実績件数は年間延べ654件の成果が報告されたが、商サービス業関連、とりわけ空き店舗・事業所に対する実態把握は出来ていないとのことだ。

 中心市街地の活性化は、個店等の事業所だけでなくそこに住む人たちの考えが重要。現場に足く通いながら生の声を聞くことが前提ではないか。

 全国の商店街も厳しい状態が続いている。国では「商店街は地域に住む人々の暮らしを支える重要な都市基盤」として様々な支援策を打ち出している。

 例えば「暮らし・賑わい再生事業」。その要件は「中心市街地活性化基本計画」の策定と国の認定が必要とのこと。

 千曲市の場合、活性化対象のいずれの地域も駅周辺の都市機能や空きビル等の再生、そして賑わいの復活等が課題となっているが、このような活性化策の導入は厳しいようだ。やはり活性化ビジョンの再確立が必要ではないか。

 今月30日に開催される第2回まちづくり文化祭には、街の復活に意欲を持つ多くの市民が集うという。交流によるまちづくりの機運が高まることを期待したい。