今月のちくま百景 更埴招魂殿 「みたま祭」(稲荷山)

今月のちくま百景 更埴招魂殿 「みたま祭」(稲荷山)

 戦後80年となる8月15日の終戦記念日、千曲市更埴招魂殿奉賛会は稲荷山の招魂殿で戦没者を追悼する「みたま祭」を執り行った。同奉賛会は更埴地区の戦死者、戦病死者及び軍属、義勇軍、開拓団員等の戦没者の追悼を続けている。今年も奉賛会役員が招魂殿内に祭壇を設け、11時から14時まで一般の拝礼と記帳を受け付けた。11時50分からは式典を開始し、東京の日本武道館で行われている全国戦没者追悼式の模様をラジオで流して拝礼と黙とうを行った。奉賛会会長の山本正勝さんは「現在私たちが当たり前のように思っている平和と繁栄が、戦地で亡くなられた多くの尊い犠牲の上に成り立っていることは忘れてはならない。こうした事実を風化させることなく次の世代に語り継ぐことが、いまを生きる我々世代の宿命と責任だと思っている」と挨拶した。式典後は同所で奉賛会の総会を開いた。

 現在同奉賛会の役員は千曲市遺族会の各地区会長らが兼任している。同遺族会の会員は160人ほどだが、高齢化し存続が難しくなっているという。山本会長は「これからは語りべ事業などにも取り組み、何とか活動を継続していきたい」と話す。