今月のちくま百景 史跡・雨宮の渡 (雨宮)
「雨宮の渡」は千曲川の船着き場として古くから北国街道の要衝であった。対岸に川中島平が広がるこの地は、しばしば合戦の舞台となり、大塔合戦(1400)や第四次川中島の戦い(1561)において戦局の命運を握る渡河ポイントとなったことでも知られる。
源平合戦では寿永二年(1183)、木曾義仲が越後から進軍してきた平家方の城長茂 と千曲川を挟んで対峙。横田城に布陣する城氏に、義仲軍は偽旗作戦を用いて渡河。奇襲を仕掛け大軍を打ち破った(横田河原の戦い)。現在千曲川の流域は北側へ移ったが、史跡公園にある頼山陽の漢詩碑が往時を偲ばせている。