信州やきもの紀行 長野県立歴史館秋季企画展
長野県立歴史館では令和5年度秋季企画展「信州やきもの紀行~江戸から明治へ~」が10月7日から開催されている。信州の焼き物は一大生産地である瀬戸・美濃地域の技術を導入し、江戸期に県内各地に広がっていった。明治以降になると信越線が開通し、そのトンネル内のレンガは、地元信州の窯で作られた。今回スポットを当てているのは美術品ではなく生活のために作られた「やきもの」の数々。展示会場では南信→中信→東信→北信の順で信州の焼き物116点を紹介している(松代焼のほか稲荷山の元町焼も展示)。また、第二展示室では県内各地の窯跡からの貴重な出土品も展示されている。
戦後に安価な大量生産の焼き物が入って来ると、昭和30年代には信州の殆どの焼き窯では作陶を止めてしまった。現在県内では飯田市の尾林窯以外は残っていない。
歴史館の笹本名誉館長は「今回初めて近世・近代の100点以上の焼き物が集まった。近代産業を支えた焼き物、身近で使われていた足元の焼き物から信州を考え、未来を考えて欲しい」と話している。
11月26日まで開催中