北国街道歴史こぼれ話(第3回)明治天皇巡幸その二(坂木宿)
坂木宿の御小休所となったのは立町にあった宮原生吉宅で、宮原家では天皇巡幸に際して檜などを用いて大改修を行ったという。旧宮原邸の跡地に当たる坂木宿ふるさと歴史館の庭内には「明治天皇御小休所」の石碑が建立されている。
また、手前の横町には「御膳水」の碑が今も残る。場所は浄土宗の名刹・心光寺の向かい側に当たり、ここには宿場時代から有名な井戸があった。天皇の食事等に供するために用いられた井戸や湧き水は、後に名水として宣伝されたものも多い。
御小休所以外に北国街道の整備にも多くの村人が動員された。鼠宿の岩鼻の険と並ぶ難所「横吹八丁」は江戸期には険しい山中を通る坂道だったが、明治9年(1876)から崖下で工事が行われ巡幸の前年に新道が開通した。巡幸一行はこれを通り戸倉宿へと向かった。(続く)
明治天皇御小休所の碑(立町)
明治天皇御膳水の碑(横町)

