千曲市の将来都市像は?
第3次千曲市総合計画の策定に着手
総合計画の改訂
3月定例市議会が開会され、一般会計で総額265億7千万円の令和3年度予算が議決された。4月1日には市職員の人事異動もあり、新年度の小川市政が本格的に始動した。
一方、市政運営の基本指針となる総合計画は、社会情勢の変化や市の将来動向に関わる大きな政策変更があったことから、従来の政策を継承しつつも新たな視点に立った計画に改訂することになった。
これまで、庁内において計画の策定方針を決定。市議会への説明や策定に関わる専門コンサルタント業者の決定なども行われ、策定作業が本格化する。
総合計画とは
総合計画とは、地方自治体における行政運営の最上位計画。市民全体で共有する自治体の将来目標や施策を示し、すべての市民や事業者、行政が行動するための基本的な指針となるもの。
その構成は、基本構想・基本計画・実施計画の三層構造だ。
◆基本構想~まちづくりの根幹となる基本理念や目指すべき都市像を掲げ、これを実現するための基本目標や達成方針を定めたもの
◆基本計画~基本構想に掲げた将来像を実現するため、基本目標や達成方針に基づく施策の体系を定めたもの
◆実施計画~基本計画に定めた施策の具体的実施計画
第3次の総合計画はこの三層構造について、理解のしやすさや計画の実現性の面から検討。場合によっては簡潔な5か年計画との考え方もあるとのこと。
千曲市誕生以来、まちづくりの理念は「共生・交流・協働のまちづくり」。今回の策定に当たってもその考えは変わらないようだ。
将来都市像は
総合計画が目指すゴールとなるのが「将来都市像」。平成15年の千曲市誕生時に旧更埴市、旧戸倉町、旧上山田町の理事者や議会、住民代表等で策定された「新市建設計画」の中で将来像を共有。これをベースに平成19年に第1次を、同29年に第2次を策定し、将来都市像を設定した。
各計画における将来都市像は表1のとおりだが、いずれも交通拠点としての特性を市発展の原動力として捉えたものだ。
小川市長は
小川市長は12月定例市議会において、日本遺産となった「月の都千曲」のブランドイメージの確立とブランド力の向上、市内産業・伝統行事・景観・温泉等の地域文化の磨き上げと進化による「文化伝承創造都市」を宣言。豊かで品格あるまちづくりをめざすとしている。
具体的なスケジュールと手法
既に計画策定は始まっている。市総合政策課では表2のとおり、本年度中に計画策定を完了させるとしているが、かなり厳しい日程であるとの認識。
「積極的な市民参加と未来に夢の持てる計画策定になるよう市民の協力をお願いしている」(宮尾憲夫総合政策課長)
市民が参加する計画づくり
「市民とともに考え、市民とともに決定する」というパートナーシップの理念を基本に、計画案の作成段階からアンケート調査やワークショップ、まちづくり懇談会、パブリックコメントなどによる意見の収集を図る等、市民参加による計画づくりを進めるとしている。
計画づくりに市民が積極的に関わることは当然のことであるが、今のところ、これまでの手法を踏襲したものになるとの見通し。
まちづくりを実践している団体・企業、市民からは「これまでの手法にこだわることなく、自由に気軽に計画策定に参加できること、次代を担う青少年等の幅広い参画等、大胆かつ市民総ぐるみでの計画づくりになること」等の声が寄せられている。