懐かしさ誘う「さらしな方言かるた」
「更級かたりべの会」で民話の読み聞かせの活動を行っている野本洋子さんが、地元の方言をまとめた「さらしな方言かるた」を制作した。
野本さんはこれまで「さらしなの里 羽尾の民話」を制作し、郷土の昔話を子どもたちに朗読で伝承してきた。昨年、喜寿を迎えて小中学校の同窓会で集まった際に、懐かしい言葉づかいの話題で盛り上がり「方言でかるたを作ってみては」との話が持ち上がったという。野本さんは篠ノ井の生まれだが、同じ更級地方の羽尾とは共通する方言が多いことから、同級生らの協力も得ながら方言を収集。羽尾の民話の物語からかるたの文章を作っていった。
印刷製本すると高額になるため、息子さんがネット通販でかるた制作キットを購入。50枚の方言かるたを一つ一つ手作りで完成させた。このかるたは絵札には文字が書かれ、読み札にその言葉の意味が解説されている。野本さんは「方言かるたを読んでいたら、母の言葉が蘇ってきた。まだ言葉をよく知っている元気なお年寄りがいるうちに完成させたかった」と話す。
今年に入り野本さんの自宅や地元の児童館で「方言かるた」のかるた大会を開催。感染対策のもと、小学生たちがカルタ取りに参加した。大会の運営には朗読の会のほか、長野大学のボランティアの学生たちが協力している。地元の高齢者の方が温かみのある方言で読み上げを行うと、子どもたちが元気いっぱいに札を取っていた。
かるた会の様子(4月7日)かるたの絵札