= 特 集 =
戸倉上山田 八の日会 がんばる商店街
市民の暮らしを支える街のお店は、時代の変遷とともに大変厳しい環境にあります。
ライフスタイルの変化や郊外型商業施設の立地、更にはコロナ禍の中で来店者は減少。空き店舗・高齢化・後継者不足などの問題が街の活性化を阻んでいる中「地元に貢献・地元に納税」を合言葉に、毎月8の日に新聞折り込み広告を、71年もの間続けてがんばっている「八の日会」をご紹介します。
結成して71年
戦後の昭和26年(1951年)、物資の乏しい中、商店等第三次産業の零細業者に対応する金融機関が無かったことから、営業資金を融通しあう「無尽講グループ」が結成。そんな中で、新聞折り込みの草分けとして苦労したのが戸倉上山田の商店会だった。
折り込み広告の草分
今でこそ毎日届けられる新聞にたくさんの広告が入っているが、まだ新聞折り込みというものがなかった当時、折り込み広告を考案したのがこの会発足当時の会員達とのこと。
何度も新聞販売店に交渉する中で、印刷店より届いた広告を月3回(8日、18日、28日)に持参し、自分たちで折り込みを行ったという、苦労話が語り継がれており、今は懐かしい「折り込み広告の草分け」エピソードだ。
合言葉は地域貢献
八の日の会員は、消防団活動、PTA活動、地元催事、そして商工会などの役職は率先して引き受け、寄付や街灯設置と電気料負担等にも協力。特に消防団活動に関しては、会員代々全員が男子・女子消防団員、班長経験者でポンプ操法大会出場経験者。地域の消防防災状況を把握しており、「初期消火活動」の先頭に立つ。また、行政においても議会議員やPTA会長などの町の要職を担ってきた。「地域貢献こそ我々の明日がある」が合言葉だ。
懐かしい当時のメンバー
ごあいさつ
八の日の会は地域を愛し、地域に貢献。地元に納税の『出稼業』でない『千曲に骨を埋める』そんな会員の活動集団です。
『今の時代は地方でなかろうが関係なく安ければよい。』
そんな消費者の声を聞きます。しかし我々にはチェーン店には真似のできない、地元に根付いて、手軽で便利、そして敏速で商品知識も豊富な親切な対応、そんな商売根性を授かれて今日があります。
どうかそんな商人道の「八の日会」と会員以外の昔から頑張っている旅館、飲食店、各商店をこれからもご愛顧いただきますようお願い申し上げます。 会員一同
☆☆☆ ご愛顧いただいているお客様の声 ☆☆☆
◆私は体が不自由なため、わがままが言える八の日会のお店に頼りお世話になっています。お買い物の際の商品の細かなアドバイスがとてもうれしいです。 (戸倉38歳)
◆「かゆい所に手が届く」という言葉がありますが、八の日会加盟店はまさににこの言葉がピッタリのグループです。
親子3代お世話になっています。 (荻原館女将)
◆デジタル化時代と言われて久しい現代、八の日会加盟店は「浪花節だよ人生は」っていうことがピタリと当てはまる集団だね。
現在の主人たちも昔のおやじさんたちと同じ気概をもって頑張ってるよね。
古臭いって思うかもしれないけれど、これって商売人の原点だよな。大事なことだよね。
(新山 寺沢 87歳)