戸倉史談会 発足50周年記念講演会

戸倉史談会 発足50周年記念講演会

戸倉史談会が、発足50周年記念と会誌「とぐら」第50号発行記念の特別講演会を開催した。5月11日、戸倉創造館で元長野県立歴史館総合情報課長の宮下健司さんが「信州のサケ(鮭)文化」と題して講演を行った。

 宮下さんはかつて秋から冬にかけて大量のサケが遡上してきた千曲川と犀川について、日本列島の成り立ちからその特色を解説。信州のサケに関わる歴史は1万年以上にわたるといい、県内でも縄文時代中期の屋代遺跡群からは570点ものサケの歯や骨が出土した。古代には平城京跡で「信州埴科郡」から納められたサケの荷札木簡が発掘されている。そのほか、戦国期に紀伊の九度山に蟄居した真田昌幸に上田からサケが贈られた逸話や、幕末の和宮下向の際に塩尻宿でサケの餡掛けを食した記録などが紹介された。最後に長野県におけるカムバックサーモン運動の歴史と信州サーモンの開発についても解説した。

宮下健司さんの講演の様子

「とぐら」50号記念特別号